ショップ化に平場廃止…平和堂の衣料住関連改革が成果をあげている理由
平和堂は大型店の改革を進めている。先行して始めた食品が一巡し、22年度からは衣料、住居関連ゾーンの本格的な改革を開始した。支持獲得をめざすのは子育て世代である30~40代。一定の集客力があると判断した個別の売場は、自社の店舗を飛び出し外部の商業施設へテナントとして単独出店するケースも増えている。
組織変更衣住を総合的に改革
平和堂には過去、大型店を集中的に出した時期がある。それは1990年後半から5~6年の間だ。
当時、大店立地法施行前に大型店の出店攻勢をかけた有力企業は少なくなかった。平和堂もその1社で、商勢圏を拡大しながら各地で怒濤の出店を行った。
時は流れ、それらは老朽化しテコ入れの時期を迎える。一方、本部を構える滋賀県には、県外からの参入が相次ぎ、競争が激化。これらを受け、平和堂は大型店の本格的な改装を開始する。
夏原陽平常務(商品本部長)は、当時を振り返り次のように明かす。「社内で食品、衣料品・住居関連という両分野の改装計画を立てた。そのうち最初は、確実に数字が見込める食品から着手することにした」。
当初は5年で小改装、10年経てば大改装との基準を設け、2014年度から計画的に各店をリニューアル。どこも売上高が大きく伸長、同社は手応えを得た。
しばらく手付かずだった衣料品、住居関連も17年度から活性化に向けた計画をスタート。大型店のなかでも比較的売上規模の小さい店とモール型ショッピングセンター(SC)のような大型商業施設に分け、前者は実用中心の地域の便利店、後者は消費者のライフスタイルやニーズに対応した魅力的なショップの集積をつくるという基本コンセプトで改革に乗り出した。
後述する競争力のあるショップの確立など、一定の成果を得た。22年度からはさらに大型店改革を大きく前進させるべく、「館全体の魅力をあげること、そして収益を改善すること」(衣住統括 兼 ショップ事業部部長の藤田幸之助執行役員)を第一の目的に、抜本的な取り組みを始めている。まず見直したのは組織。
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