凄腕の専門家が教える、いま店舗賃料を最適化する局面である理由
さまざまなコストが高騰し、食品スーパー(SM)はじめチェーンストアの経営を圧迫している。消費の先行きは依然として不透明、さらに売価への転嫁も限りがあり、どの企業も頭を悩ませている。この中、固定費削減のため、一部で起きているのが店舗の賃料を見直す動きである。交渉の専門業者への依頼も増えており、今後、注目度が高まりそうだ。
経営取り巻く環境が悪化
光熱費、人件費、物流費などさまざまなコストが高騰している。各社とも業務改善に取り組むほか、店舗の効率運営を工夫するなど対策を講じる。値上げにも踏み切ってはいるが、すべてを吸収するまでには至らず、経営を圧迫する要因となっている。
厳しい経営環境下にあって、企業の中には、“あるコスト”を見直す動きが見られる。固定費の1つで、チェーンストア企業であれば多くの企業が払っている費用。それは店舗の賃料だ。
![ギブ・スパイラル・ジャパン鷹尾豪社長](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2023/03/dcs230301_DCS_Report3_StoreRent_00.jpg)
「まだ少数派ではあるが、大手企業の一部は、賃料適正化に向け動き始めている」。こう教えてくれたのはギブ・スパイラル・ジャパン(大阪府)の鷹尾豪社長だ。同社は賃料やM&A(合併・買収)交渉のほか、「賃貸借ビッグデータ提供によるアドバイザリー事業」「不動産マッチング業務」を手掛ける企業である。
バブル経済の崩壊後、国内の賃料水準は総じて下降傾向にある。さらにコロナ禍を経て、物件を貸す側、つまり貸主を取り巻く環境も大きく変化している。そうした状況にあり、賃料交渉を事業とする企業も増加傾向にある中、売上高で業界3位の位置につけ急成長しているのがギブ・スパイラル・ジャパン。独自のノウハウを構築、新たな顧客からの依頼も増えている。
本稿では、多くのチェーンストア企業にとって大きな関心事と思われる賃料低減について、その現状を述べたい。
今、下げられる唯一のコスト
あらためて昨今の賃料に関連する動きを整理する。
前述のとおり、賃料は下降傾向にあるが、それを誘発する要因は
DCS Report の新着記事
-
2024/07/16
ロピア、初のFC、初の沖縄店舗を徹底調査!本土と同じ点、違う点とは -
2024/07/04
ミニストップ、進化した独自モデルの実力と戦略とは -
2024/07/02
老舗うなぎ店もスーパーも採用「特殊冷凍」がビジネス変える! -
2024/06/18
イトーヨーカ堂の新総菜ブランド「ヨーク・デリ」のねらいとは -
2024/06/18
ローカルスーパー生き残りの一手!オギノHDが青果卸買収のねらい -
2024/06/17
食品スーパーも学ぶべき!杏林堂最新店の地産地消食MDとは
この連載の一覧はこちら [225記事]
![DCS Report](https://diamond-rm.imgix.net/wp-content/uploads/2020/07/DCS-Report680.jpg?auto=format%2Ccompress&ixlib=php-3.3.0&s=e79acaca1dcba96fd20a94a92db62b95)
関連記事ランキング
- 2024-06-18ローカルスーパー生き残りの一手!オギノHDが青果卸買収のねらい
- 2024-06-17ヤオコー、バローHD、サミット 24年3月期決算分析と今期の戦略
- 2024-06-04明暗!ライフ、U.S.M.H、アークス、2024年2月期決算分析!
- 2024-06-04クスリのアオキがSMを転換し「杏林堂」と競争!強みと課題とは
- 2024-07-04ミニストップ、進化した独自モデルの実力と戦略とは
- 2024-06-17食品スーパーも学ぶべき!杏林堂最新店の地産地消食MDとは
- 2023-04-18“ロピア化”するスーパーバリュー 越谷エリアで至近の2店舗が見せる連携と棲み分けとは
- 2024-05-14イオン、セブン&アイの24年2月期決算分析 今後の成長戦略とは
- 2024-07-16ロピア、初のFC、初の沖縄店舗を徹底調査!本土と同じ点、違う点とは
- 2022-02-21サミット×トモズが手がける、お客のQOL向上狙う「けんコミ」