クローガーによる、アルバートソンズ買収のねらいと行方とは
クローガー(Kroger)によるアルバートソンズ(Albertsons)買収計画のニュースは読者も驚いたことだろう。
アメリカのスーパーマーケット業界は寡占状態とはいえずいまだ統合の余地は残っている。ただ大手企業同士の統合はほぼ終わっており、残るは中堅企業の合従連衡だろうと考えていたので、こういう統合もあるのかと私も目を開かされた。パンデミックによる社会混乱と金利上昇による資金調達市場のトーンダウンもあるのでなおさらだ。
アルバートソンズは2006年に食品卸のスーパーバリュ(SuperValu)が買収したときに組織が解体され、その後は資本が変遷しながら投資企業の手の上で転がされてきた企業である。この統合を“出口”とする投資企業の名前がすでにニュースにもなっており、本質的には資本の売り買いがいつでも俎上に載る企業なので、そう考えるとあり得る話ではある。
経営陣も投資企業の肝いりで選抜された人たちなので異論を唱えることはないだろう。ちなみに取締役会のメンバー11人中の5人が投資業界の人間なので、ガバナンス陣からしてそもそも投資カラーが色濃いのである。
買収後に得られる果実
買収総額は246億ドルで、1ドル145円で換算すると3兆6000億円弱と巨額である。
クローガーは
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