米GDP、2.6%増=3期ぶりプラス成長―7~9月期
【ワシントン時事】米商務省が27日発表した2022年7~9月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比2.6%増だった。個人消費や輸出が堅調で、3期ぶりのプラス成長となった。市場予想(2.4%増)を上回った。
GDPの約7割を占める個人消費は1.4%増と、前期(2.0%増)から鈍化したものの、伸びを維持。設備投資は3.7%増(0.1%増)に盛り返した。輸出は14.4%増(13.8%増)に加速した。
一方、連邦準備制度理事会(FRB)による急速な利上げに伴う住宅ローン金利の大幅上昇が響き、住宅投資は26.4%減(17.8%減)に一段と落ち込んだ。
米景気の全体的な底堅さを示す内容で、FRBは約40年ぶりの高インフレを封じ込めるため、大幅利上げを継続する見通しだ。11月1、2両日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、引き上げ幅
一方で、急激な金融引き締めで景気悪化のリスクは一段と高まっている。議会上院銀行委員会のブラウン委員長(民主党)はパウエルFRB議長に宛てた25日付の書簡で「インフレ退治と同時に、完全雇用を確保する責務を忘れてはならない」と注意を促すなど、過度な引き締めを懸念する声も上がっている。
◇7~9月期の米GDP速報値
国内総生産(GDP) 2.6(▲0.6)
個人消費支出 1.4( 2.0)
設備投資 3.7( 0.1)
住宅投資 ▲26.4(▲17.8)
輸出 14.4(13.8)
輸入 ▲6.9( 2.2)
政府支出 2.4(▲1.6)
国内最終需要 0.5( 0.2)
GDPデフレーター 4.1( 9.1)
PCE 4.2( 7.3)
PCEコア 4.5( 4.7)
(注)増減は前期比年率(%)、▲はマイナスまたは低下、カッコ内は4~6月期