レシート調査で判明! 食品スーパーで非食品を買う、買わない理由と課題

解説:辻本 崇(mitoriz-dmb本部)
山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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非食品がスーパーを強くする メインイメージ

コロナ禍をきっかけに、食品小売では「ワンストップショッピング」のニーズが急増したといわれている。実際に、食品ではまとめ買いをするお客が増えたことがさまざまなデータからも明らかになっているが、非食品カテゴリーの購買行動に変化はあったのだろうか。レシートデータを活用した消費者調査で、食品小売における非食品カテゴリーの利用実態を明らかにしていく。

「ワンストップ」の利便性は来店動機にはつながらず?

 ソフトブレーン・フィールド(東京都/木名瀬博社長)は、全国約80万人の消費者モニターからレシートとアンケート回答を収集した購買証明付き購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(ポイント・オブ・バイ:以下、POB)」を有し、消費者の購買行動やその背景などを分析している。

 2021年10月18~19日、レシート投稿サービス「レシートで貯める」と「レシート dePonta」の会員5349人に非食品カテゴリーの購入状況に関するアンケート調査を実施し、総合スーパー(GMS)業態の「イオン」「西友」「イトーヨーカドー」、食品スーパー(SM)業態の「オーケー」「ライフコーポレーション(以下、ライフ)」「ヤオコー」の計6チェーンで比較した。

ゾーニングの例
コロナ禍をきっかけに、食品ではまとめ買いをするお客が増えたことがさまざまなデータからも明らかになっているが、非食品カテゴリーの購買行動に変化はあったのだろうか。 i-stock/recep-bg

 回答者のうち、関東エリアの在住者は49.1%と最も多く、関西エリアが18.9%でこれに次ぐ。回答者の平均年齢は51歳で、年代別では50代が37.4%と最も多く、次いで40代(28.3%)、60代以上(20.0%)の順となっている。

 まず、消費者がメーンで利用している小売チェーンをたずねた。調査対象の6チェーンでは、イオンが10.8%で最も多く、西友(5.6%)、オーケー(5.6%)、ライフ(4.7%)、イトーヨーカドー(2.9%)、ヤオコー(1.7%)の順となった。メーン利用者の平均年齢はライフが49歳で最も若く、イオンとオーケーが50歳、ヤオコーは51歳、イトーヨーカドーは53歳だった。

 メーンで利用する小売チェーンの利用頻度は6チェーンともに「週1~2回」が最も多く、概ね5割を超えている(図表❶-1)。

 メーンで利用している理由やきっかけとしては(図表❶-2)、「立地(来店しやすい)」がオーケーを除く5チェーンで圧倒的に多く挙げられた。価格訴求力の高いオーケーでは「価格が安い」が最も多く挙げられている。このほか、「ポイントカードなどの特典がよい」(編集部注:オーケーはポイントカードなし、食品価格が割引される「オーケークラブ会員カード」だと考えられる)も上位となった。

 一方、「食品以外の生活必需品も買い揃う」を挙げた割合は6チェーン平均で

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記事執筆者

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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