ファミリーマートの無人決済店舗 「24年度1000店体制」が現実的なワケ

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誰でも利用可能にするためアプリも顔認識も不要に

 無人決済システムの選定では、上述したように狭域商圏で利益を上げるフォーマットである以上、ローコストであることが大前提だった。そのため、大量のカメラやセンサーを配置して投資が膨大になることは避けた。

 しかしそれ以上に重視したポイントは「利用客にストレスを感じさせない」ということだ。
「コンビニは通りがかりの方が気軽に利用できる店舗です。利用するときに専用アプリを立ち上げる必要があったり、顔認証で個人を特定しないと使えないという仕組みはマッチしません」(狩野氏)。 

 その点で、TTGのシステムはアプリや専用のソフト、顔認証も不要だ。決済は現金やクレジットカード、交通系電子マネーも使える。

 TTGの無人決済システムは、欲しい商品を手に取りバッグなどに入れ、出口のディスプレーで購入した商品を確認して決済を行うだけ。ファミリーマートにとっては新しい仕組みだ。それだけに、導入に当たっては慎重を期したと推測できるが、意外にもそれほど迷うことなくすんなりと決まったのだという。
「何社かいろいろなソリューションを拝見しましたが、この仕組みが一番、当社の考え方に合致すると即断しました。TTGにもかなりスピーディに対応してもらいました」と狩野氏は振り返る。

 もうひとつ。TTGは、システムをサブスクリプションで利用できるため、初期投資がかからないというのも導入しやすかったポイントだ。

アプリや顔認証等がなく誰でも利用可能なゲート
アプリや顔認証等がなく誰でも利用可能なゲート

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