トライアルのスマートストアで重要な役割を果たす「リテールAIカメラ」の機能を徹底解説!
AIカメラ×冷蔵ショーケースでロス削減に挑む
2021年10月28日にオープンした「スーパーセンタートライアル宮田店」(福岡県宮若市)では、「AI冷蔵ショーケース」を初実装しました。これは、通常の冷蔵ショーケースをAIカメラやセンサー、LEDでIoT化したものです。
この「AI冷蔵ショーケース」には、AIカメラが取得した画像データから欠品情報を数値化し、従業員が発注するタイミングで、チャンスロスが大きいと判定された商品をLEDの点灯により知らせるという仕組みを導入しています。従来、欠品が発生していないかどうかはスタッフが目視で確認していましたが、AI冷蔵ショーケースでは、LEDの色によっていつ欠品が発生したかがわかるようになっています。
日本語が不得意な外国人の店舗スタッフでも直感的に理解できるように、実際の店舗オペレーションを想定した工夫がされています。商品を陳列するケースが人をサポートし、一緒に売場作りをよりよくしていくことをコンセプトにしています。
現在のところは、売場でチャンスロスが発生している商品を特定して、その発注量を従業員が調整するという形式を採っています。これをさらに進めていくことで、将来的には発注まで含めて自動化が可能となるのではないかと見込んでいます。
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AIカメラを軸とした取り組みの最終的なゴールは無人店舗になるとわれわれはイメージしています。しかしそれは一足飛びに実現するものではありません。まずは今ある店舗の課題を、テクノロジーでひとつずつ解決していくこと。今は、IoT機器が人の業務をサポートし、お客さまにとって望ましい売場づくり(「ほしいものがほしい時にある(=欠品しない)」「ほしいものが買いやすい場所にある(=棚割りの最適化)」)を進めるフェーズです。
次回は、私たちRetail AIがAIカメラと同様に注力しているスマートショッピングカートについて、店舗への導入実績や効果などをご紹介します。
プロフィール
永田洋幸(ながた・ひろゆき)
1982年福岡生まれ。米コロラド州立大学を経て、2009年中国・北京にてリテール企業向けコンサルティング会社、2011年米シリコンバレーにてビッグデータ分析会社を起業。2015年にトライアルホールディングスのコーポレートベンチャーに従事し、シード投資や経営支援を実施。2017年より国立大学法人九州大学工学部非常勤講師。2018年に株式会社Retail AIを設立し、現職就任。2020年よりトライアルホールディングス役員を兼任。
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