ヴィトンにグッチ、渋谷カルチャー、横丁空間にシェアオフィス・・・ 多彩な渋谷らしさをすべて包含したミヤシタパーク
MIYASHITA PARK
ECの普及が進み、リアル店舗の価値が問われるなか、大型商業施設はコロナ禍でさらに苦境に立たされている。そうしたなか、“100年に1度”ともいわれる大規模な再開発が進行する渋谷に開業した「MIYASHITA PARK(以下、ミヤシタパーク)」は、渋谷区との官民連携によって公園を軸とした居心地のよい空間と、最先端のファッションブランドや体験型店舗による新たな刺激の提供を両立した複合型商業施設として注目を集めている。
官民連携で実現
公園を組み込んだ商業施設
ミヤシタパークは、「三井ショッピングパーク ららぽーと」「三井アウトレットパーク」など多くの商業施設を手掛ける三井不動産(東京都/菰田正信社長)と渋谷区が官民連携で開発した大型複合施設だ。1966年に開設されてから約半世紀が経過し、老朽化やバリアフリーなどの問題を抱えていた渋谷区立宮下公園(以下、宮下公園)の再整備計画のコンペに三井不動産が参加し、選出された。
ミヤシタパークの大きな特徴は、宮下公園と商業施設の「RAYARD MIYASHITAPARK(レイヤード ミヤシタパーク)」、ホテルの「sequence MIYASHITA PARK(シークエンス ミヤシタパーク)」が融合している点だ。構造としては、1~3階が商業施設、4~18階がホテル、4階の屋外部分が宮下公園となっている。
ミヤシタパークの開発コンセプトは、「あたらしい刺激や話題」と「快適さや居心地のよさ」。一見相反する2つの要素が混在しているのが同施設の特異性だ。「“若者の街”というイメージが強い渋谷だが、とくにターゲットは設定していない。若者に限らず幅広い世代を取り込みたい」(三井不動産商業施設本部アーバン事業部運営企画グループ 髙山幸太郎氏)
居心地のよさを提供するための大きな軸となる宮下公園は大幅に改良されている。以前は南北2つに分離していた区画を一体化し、バリアフリー整備も実施した。南側には従来から来園者に好評だったボルダリングウォールやスケート場に加え、サンドコート仕様の多目的運動施設を追加。北側には、ふだんは来園者がくつろげるほか、イベントも開催できるような約1000㎡の「芝生ひろば」を設けた。現在はコロナ禍でイベントの頻度は多くないが、これまで音楽フェスやファッションショーなどが実施されている。
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