イータリーが原宿に進出 世界“最小”規模の実験店をオープン

2020/06/11 05:43
松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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原宿店限定のテイクアウトメニューも提供

 続く飲食ゾーンは既存店と同じく、レストランのほかテイクアウトも可能なメニューを提供する「カフェ&カウンター」で構成されている。トリノの老舗カフェ「Caffè Vergnano(カフェ・ヴェルニャーノ)」のコーヒーやイタリアンカクテル、ワイン、ジェラートなどを販売するほか、原宿店限定メニューとして「パンナ」(381円:以下、税抜)、「フラーゴラ」「チョコラート」「ティラミス」(いずれも436円)の4つの味を揃えたローマの名物菓子「Maritozzo(マリトッツォ)」と、イタリアのストリートフード「Fritto misto(フリットミスト)」(3種類、いずれも618円)を新たに発売する。「テイクアウトは若いお客さま向けにレストランよりも手ごろな価格で提供し、原宿や表参道を食べ歩きしてもらいたい。テイクアウトをきっかけにレストランを利用していただければと思う」(関谷氏)。

原宿店では手ごろな価格のテイクアウトメニューを充実させている
原宿店では手ごろな価格のテイクアウトメニューを充実させている

 レストランではイタリアの伝統的なメニューを楽しむことができる。席は店内のほか、明治神宮が見え、開放感あふれるテラスのソファ席も利用可能だ。「マルゲリータ」(1709円)や「スパゲッティ カルボナーラ」(1436円)など定番のピザやパスタのほか、原宿店限定の前菜盛り合わせ「アンティパストミスト EATALY原宿」(1800円)も提供する。そのほか、ウィズ原宿の賃貸マンション居住者に向けた宅配サービスも開始するなどの実験的試みも行っている。

テラスのソファ席でくつろぎながらイタリアの伝統的な料理を楽しむことができる
テラスのソファ席でくつろぎながらイタリアの伝統的な料理を楽しむことができる

 ここまで見てきたように、原宿店はこれまでとは異なる客層に対応するため、さまざまな取り組みを実験的に実施している。「原宿はトレンドの移り変わりが早く、伝統的なイタリアの食文化を提供する当社であっても変化に素早く対応しなければならない。原宿店で成功できれば、ほかの都市でもお客さまのニーズに応えられる店舗をつくることができる。いずれは東京以外の主要都市にも店舗を展開したい」(関谷氏)。イータリーの国内の今後の出店は未定だが、原宿店が成功すれば多店舗展開の足掛かりとなるだろう。

店舗情報

店名:EATALY HARAJUKU(イータリー原宿)
業態:イタリアンレストラン&マーケットプレイス
住所:東京都渋谷区神宮前11430 ウィズ原宿3F
営業時間:110023002200 L.O.
*当面の間は110021002000 L.O.
売場面積:約71坪(テラス席除く)
電話:0364329080
定休日:施設に準ずる
総席数:152席(店内:カフェ&カウンター6席(スタンド席除く)、レストラン55
テラス:カフェ&カウンター34席、レストラン39席)

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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