ユニクロ原宿店最速レポート 「ポップカルチャーの情報発信基地」の全貌
リアルとバーチャルが融合した売場
UTのほか、原宿店の取り組みで注目したいのが、地下1階で展開する「StyleHint(スタイルヒント)」のコーナーだ。スタイルヒントとは、ユニクロとGU(ジーユー:東京都/柚木治社長)が共同で開発・運営しているスマートフォンアプリで、ユニクロやGUで購入した商品を使ったコーディネートを投稿することができる。
スタイルヒントのコーナーでは壁一面に240台のディスプレイが埋め込まれており、ユーザーが投稿した着こなしの写真が一定時間で切り替わって表示されるようになっている。気に入ったコーディネートがあれば、ディスプレイをタッチ操作するか、表示されたQRコードを自分のスマートフォンで読み込むことで店内での商品の場所を探すことができるという仕組みだ。そのほか、コーディネートの写真を撮影できるブースも設けており、その場で撮影した写真をディスプレイ上で共有することもできる。まさに、「リアルとバーチャルが融合した」売場だ。
地元の店舗のロゴを使ったTシャツを作成できる
そのほかの取り組みとしては、オリジナルのTシャツやトートバッグをつくることができるサービス「UTme!」で原宿にある飲食店や雑貨店とコラボしており、これら店舗のロゴを使用した商品を作成することが可能となっている。「地域と共存・共栄できる店舗をつくりたい」(ユニクロ赤井田真希CEO)という考えを反映させたものだ。
また、定額音楽配信サービスの「Spotify」ともコラボ。ガールズバンドのCHAIなど、若者に人気のアーティストがセレクトした原宿店限定のプレイリストの配信も行っている。
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新型コロナウイルスの感染が拡大し、ECの利用率が高まるなか、リアル店舗は「わざわざ足を運ぶだけの価値」を提供しなければ生き残れない。原宿店は「ポップカルチャーの情報発信基地」として、単に商品を販売するだけでなく、デジタルを活用した販促や、多くのブランド・アーティストとの協業により最先端の情報発信を行い、リアル店舗ならではの価値を追求しているといえるだろう。