関東進出を機にリブランディング! くら寿司の高級業態「無添蔵」の戦略

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

 多彩なこだわりメニューを展開!

 さらに、これまでの無添蔵の店舗で提供されている商品より多い200種類以上のメニューとともに、希少なネタを提供する。

 たとえば、新幹線を使った鮮魚輸送サービスを活用。福井県内の漁港で朝に水揚げされた魚を、近隣の工場で一次加工したのち、JR東日本の列車荷物輸送サービス「はこビュン」で東京に運び、その日の夕方には店舗で提供する。現在、「福井 朝獲れ はまち」「同 真あじ」(各税込380円)など、鮮度にこだわった10種類のメニューを提供している。

新幹線輸送での荷下ろしの模様(提供:JR東日本)

 また、くら寿司が20238月から愛媛県宇和島市で委託養殖しているマグロは、一度も冷凍せずに輸送し「生本マグロ」として提供。「無添蔵」ではその鮮度を生かし「生本まぐろ三種盛り」(同980円)として展開する。加えて、解体時にしかとれない中落ちを使用した「生本まぐろ中落ち」(同1480円)は提供日を限定して販売し、“プレミア感”も演出する。このほか刺身盛り合わせには、長野県安曇野産の国産本わさびをおろしたてで提供するなど、細部まで品質にこだわる。

写真左:「生本まぐろ三種盛り」(同980円) 写真右:「生本まぐろ中落ち」(同1480円)

 さらに、自社で養殖する「オーガニックはまち」は、くら寿司の通常店舗ではフェア限定商品だが、「無添蔵 中目黒店」ではレギュラーメニューとして扱う。ネタは大ぶりで厚みのある切り身に飾り包丁を入れて提供される。

 このほかにも、「有明海苔 ミルフィーユ鉄火」(同980円)、「生本わさび 刺身盛り合わせ」(同2980円)、「たらばがに天ぷら」(同1980円)、「彩り海の宝石箱」(同1980円)など、高級感を前面に出したメニューを豊富に提供する。また、日本酒をはじめ、オーガニックワインなどの酒類を豊富に揃え、寿司とのペアリングを提案する。

無添蔵では酒類のラインアップが充実

 

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記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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