「ルノワールの妻」がモチーフ。銀座ルノアールのカフェ新業態、オープン1年の手応えは

吉牟田祐司

マニュアルを作らず親しい人をもてなすように接客

Aline cafe et sucreries(アリーヌ カフェ エ シュクルリ)店舗内観
Aline cafe et sucreries(アリーヌ カフェ エ シュクルリ)の店舗内観

 出店したのは「京王府中ショッピングセンター」を全館リニューアルして開業した「ぷらりと京王府中」の1階。アーチ形の天井で、自然素材のインテリアが配置された店内は、ルノワールが晩年を過ごした南フランスの田舎のような素朴で温かなイメージを伝える空間デザインが施されている。食器やカトラリーなどテーブルウェアもアンティーク風だ。ターゲットに設定したのは30~60代の女性。コンセプトは「五感すべてで心地よいカフェ」という。周囲に飲食店が数多くある中でも、足しげく来店する常連客を獲得しているようだ。

 「お客さまの反応として多いのが、店内の雰囲気と内装への評価。ねらいよりも年齢層が高めなのは想定外だったが、開放感があるという理由で気に入っていただけていて、『このお店、かわいいよね』という声がよく聞かれる」(髙橋氏)

 接客は、ホテルのようなフォーマルさがある「喫茶室ルノアール」に対して、意図的にカジュアルにしているという。展開するブランドで初めてモバイルオーダーを導入しているが、来店客が操作に不慣れな場合はスタッフが口頭で注文を受け付け、柔軟に対応している。髙橋氏は「親しい人を自宅に招いて、もてなすようなスタンスで接客している。あえてマニュアルを作らず、スタッフ一人ひとりが真心を込めてお客さまと向き合い、個性を発揮している点でも差別化を図っている」と話す。

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