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イトーヨーカ堂がエンタメ特化型新業態「TOYLO MART原宿店」を今、出店した理由

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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イトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)は35日、東京都渋谷区に「TOYLO MART(トイロマート)原宿店」をオープンした。原宿・竹下通りに面する同店は、キャラクターグッズやコレクショントイなどの雑貨・玩具に特化した新たな専門業態だ。イトーヨーカ堂がこのタイミングで新業態出店に踏み切った理由とは。

玩具市場拡大の波に乗り、原宿で新業態に挑戦!

 少子化という強い逆風が吹くものの、国内の玩具市場は拡大している。日本玩具協会の調べによると、2023年度の国内玩具市場は対前年度比7.1%増の1193億円となり、初めて1兆円を突破した。市場拡大を牽引するのが「推し活」ブームだ。好きなタレントやキャラクターを応援する「推し活」によりフィギュアやキャラクターグッズなどの販売が好調に推移しているという。

 この波に乗るように、イトーヨーカ堂が今回オープンしたのが「トイロマート」だ。同店は、キャラクター雑貨や玩具を中心にコレクショントイやTVゲームまで扱う専門店。これまでもイトーヨーカ堂は、ファミリー型玩具体験売場「TOYLO PARK(トイロパーク)」、スクール用品・文具専門店「TOYLO SCHOOL(トイロスクール)」と、「トイロ」ブランドで専門店を展開しており、トイロマートはその新業態の位置付けとなる。

 店舗があるのは東京・原宿、国内外から若者を中心に多くの人々が訪れる「竹下通り」にある。同地で以前からイトーヨーカ堂が運営していたアパレルショップ「good day HARAJUKU」を業態転換するかたちで新規出店した。

30坪の売場で7000~8000SKUを販売

 トイロマート出店の経緯について、イトーヨーカ堂専門店事業部スクール&ホビー部で統括マネジャーを務める山幡耕司氏は「コロナ期間中、アパレルが伸び悩んでいた時期に、キャラクター商品の販売を開始したところ、売上が大きく伸長した。この成功事例と昨今の市場好調を受けて、今回の業態変更に踏み切った」と話す。

 トイロマート原宿の売場面積は約30坪とコンパクトながらも、取り扱いSKU数は70008000と一般的な玩具専門店と比較しても品揃えは充実している。「サンリオ」「モンチッチ」といった訪日外国人観光客に人気のグッズのほか、若い世代に人気の「ニコぬい」「つぶらな瞳シリーズ」など、幅広い顧客層に支持される商品を豊富に揃えているのが特徴だ。

 山幡氏は「トイロマートが玩具業界内で注目を集めることで、人気商品の入荷や、仕入れの条件面など商品調達の交渉力が高まる」と語る。

 また、イトーヨーカ堂では、トイロマートをイトーヨーカ堂各店の「トイロパーク」「トイロスクール」への送客拠点とも位置付けている。東京・原宿の一等地に店舗を構え、先行販売商品や限定アイテムを積極的に扱うことで「トイロ」ブランドの認知を高め、「トイロパーク」「トイロスクール」の利用・売上増にもつなげていきたい考えだ。

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記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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