競争激化の東京・豊洲で確かな存在感! 静岡ローカル「フードストアあおき」の実力
他店には真似できない品揃えに注目
青果だけでなく、フードストアあおき全体の商品化や陳列で共通しているのが「見た目のインパクト」と「上質感」だ。商品の一つひとつが丁寧に扱われているのが売場全体から伝わってくる。
そうした“丁寧さ”を補足しているのがPOPだ。重点商品については細かい説明が行われ、容易に比較購買ができるようにしている。一方で、見た目のインパクトがある商品については、キーワードのみとするなど、言葉を絞り込んで訴求している。このようなメリハリのある店内告知が売場のポイントとなり、マグネット機能に貢献しているのである。
また、目的買いや差別化につながるカテゴリーについては、品揃えの“深掘り”がなされている。たとえば青果では、トマトが30SKU、バナナが15SKU、静岡産のいちごが7SKUなど、品揃えの豊富さによって専門性を高め、売場の魅力向上につなげている。水耕栽培の葉物野菜もコーナー化され、銘水の地としても知られている地元静岡の柿田川の名前を冠した水耕栽培野菜が20SKU以上あった。このような他店では真似ができない品揃えがあおきの強さを支えている。
そのほか、欧州では高級キノコとして知られている「コプリーヌ」や、樹上で完熟させた蜜入りりんごである青森産の「こみつ」などの売り込みを行い、一品単価の増大をねらっていた。
日配は、青果からつながる壁面の豆腐コーナーが大きなマグネットになっている。オープン当初は店内製造の豆腐を中心に販売していたが、現在は仕入れ商品のみで構成されているようだ。定番の絹や木綿に加え、「堅豆腐」「山芋豆腐」など豆腐だけで30SKU以上あり、中には700円近いアイテムも差し込みまれているなど価格幅が広い。多様なメーカーから仕入れを行っており、定期的に仕入れ元を変更し、商品バリエーションの鮮度を常に意識しながら、売場づくりを行っているとみられる。対面の納豆も同様で、こちらは価格幅はそれほど広くないものの、多くのメーカー商品が並び、コーナーとして存在感を高めている。
後編では、鮮魚、精肉、総菜の売場を見ていこう。
(店舗概要)
所在地 東京都江東区豊洲2-1-14
開店日 2006年10月
営業時間 10:00~22:00
アクセス 「豊洲」駅から徒歩約3分