めざすは「超タイパ」 オイシックスの新総菜サービス「デリOisix」とは

松岡 瑛理
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オイシックス,デリ
「デリOisix」購入ページ

最大の競合は
利用者の「自炊」

 「時短」以外の部分でも、レシピの作成や使用食材について、オイシックスが持つ強みを生かしている。
 「1dayセット」「3dayセット」はどちらも、主菜・副菜に1食あたり5種類以上の野菜を使用した。
 「たつやのにんじん」(熊本県産)や「旨み!香り!色!濃い濃い舞茸」(埼玉県産)など「Oisix」の人気野菜や、「Kit Oisix」で提供する人気の野菜も使用したメニューを試すことができる。
  「デリOisix」は、まずOisix会員に向けて販売を開始し、その後、広告出稿やメディア露出を増やして新規ユーザーの獲得を図るとしている。26年度末には、累計販売1000万食をめざす予定だ。
 日本惣菜協会が発行する『2023年度版 惣菜白書』によれば、国内中食(総菜)市場の売上は8.7兆円(12年度)から10.1兆円(21年度)と、9年間で116%に伸長している。今後も成長が見込まれる市場だが、総菜の需要をめぐっては駅チカ・駅ナカにある総菜専門店や家事代行サービスなど、競合サービスの台頭も目立つ。そうしたなかで、「デリOisix」はどのようにユーザーを獲得していくのか。
 荒川氏は「お客さまへのインタビューをもとに、最大の競合として我々が想定しているのは『自炊』。忙しくて時間がない日でも、レシピを見ずにささっと何かをつくっている方は多い。そうしたお客さまに、自炊の代わりに利用してもらいたいと思っている」と断った上で「『デリOisix』は『Kit Oisix』など、ほかの商品と組み合わせて1セットから購入できる。平日の夕食代わりからハレの日のイベントメニューなど、幅広いニーズに応えられることが強みだ」と話した。
 「Kit Oisix」で培われたノウハウも武器に、今後「デリOisix」がどのようにサービス拡大を遂げていくのか、注目したい。

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