SNSで話題!あの「ねるねるねるね」発の服薬補助食品が生まれた意外な理由とは
開発を手掛けたのは新入社員
「おくすりパクッとねるねる」の開発のきっかけは、クラシエ薬品の営業担当者が、ある病院の小児病棟で「ねるねるねるね」が服薬補助として使用されていると知り、それを開発部に伝えたことだという。「『ねるねるねるね』のふわふわと膨らむ性質が、薬の苦みや独特の風味を軽減することを薬剤師さんが発見したようだ」(木下氏)。
その情報を基に、服薬補助商品の開発をリードしたのは当時まだ入社1年目の、食品研究所粉末食品グループ(当時品質保証・基礎研究チーム)に属する瀧川雄太氏だ。当初は入社時の研修テーマとしてこの「おくすりパクッとねるねる」の商品開発を任された。「新しいテーマであり、課題も多かったことから、周囲からは実現は難しいと思われていると感じていた」と木下氏は話す。しかし、先述の病院に足しげく通い、さらに知育菓子チームと協力し、「薬の効能を損なわず、なおかつ苦みや嫌な風味がなくなる」ねるねるねるねを3年の月日をかけて実現した。
従来、クラシエフーズではチームの枠を越えた連携はあまり多くはなかったが、今回の服薬補助食品の開発のスタイルが、商品開発の好例になったという。「まだ仕事を型にはめて考えていない新入社員が手掛けたからこその結果だと考えている」(事業企画室の有賀文威氏)と話し、今後は組織やチームの垣根を越えて、柔軟に商品開発をしていくとした。
また、「少子高齢化社会において、知育菓子部門が生き残っていくために、さまざまな展開を考えなければいけない。そうしたなかで、チームや組織の垣根を越えての商品開発の流れができたことは大きな躍進だ」(有賀氏)と話す。
チームや組織の垣根を越えた商品開発をめざす
今後は、テスト販売によって得られたアンケートなどの結果をもとに「おくすりパクッとねるねる」の改善を図っていくという。そのほか、クラシエフーズのTwitterアカウントでの顧客とのやりとりから、アンケートでは拾いきれないような細かな要望も拾い、反映し、本格的な販売へとつなげていく考えだ。
また、有賀氏はこうも語る。「10月1日にはクラシエフーズ、クラシエホームプロダクツ、クラシエ製薬が一体化し、クラシエとなる。今後は一層組織間のつながりを深めた商品開発やマーケティングをめざしていきたい」。
知育菓子である「ねるねるねるね」を服薬補助食品として活用したクラシエの今後の商品開発に期待が高まる。