春の青果売場のロス管理が難しい理由と、それを制する方法とは
今回は春の売場づくりについて解説しよう。食品スーパー(SM)の青果売場では、タケノコ、タラの芽、フキ、アスパラガス、春キャベツなど春野菜を楽しむ提案が期待されるが、実はここには意外な落とし穴がある。それは何か。そして売れる売場にするためにはどんな工夫が必要なのだろうか。
冬野菜の売場から春野菜に切り替える
一般的に春野菜といわれるのは「山菜」(フキやタラの芽、菜の花、ワラビなど)、「豆類」(エンドウ豆、そら豆など)、「新物」(新玉ネギ、新ジャガイモ、新キャベツなど)だ。
ただ夏野菜の中で果菜類といわれるキュウリ、ナス、ピーマン、トマトなども広義では春野菜に含められる。実際トマトがおいしいのは4月で、キュウリも4~5月である。
つまり春野菜を量販する際には、その季節限定の春野菜と果菜類の両立てで、春の売場展開を考える必要がある。
2月までは寒いが、3月から気温が上がるにつれ、ピーマン、トマト、ナスなどの売上が急に高まる。冬野菜の産地から春野菜の産地へと産地が代わるからだ。
果菜類はおおむね早い時期のほうが柔らかくておいしい。春は寒暖差が大きいので、夏野菜のはずなのに春のほうがおいしくなるのだ。
だから春の売場づくりでしなければならないのは、それまでの冬野菜中心の売場から切り替えて、春野菜と果菜類のスペースを広げていくことだ。とくにタケノコを筆頭にした春ならではの時季限定の野菜が出てくるので、売場を大きく変えないといけない。
売りづらい旬野菜、産地連携がカギ
キュウリやナスなど果菜類は年間の主力商品だから、売場を広げることは難しくない。いちばん売らないといけないのは