大きく伸長する注目カテゴリー「チーズ」、栄養素など健康訴求で新規ユーザー増加
カマンベールやモッツァレラなど食べ方が広がり好調
KSP-POSのナチュラルチーズの期間通算の金額PIは、7347円で対前年同期比0.9%減。プロセスチーズ同様に2月までは前年を上回って推移しているが、3月からは前年割れが続いている。とくに前年の反動で4、5月は2ケタ減となった。
ナチュラルチーズで好調なのが、カマンベール。認知症の予防につながる可能性があるという健康効果が浸透したことや、そのまま食べる以外に料理への活用が普及したことで大きく伸長している。明治では朝食でもカマンベールチーズを食べてもらうために、「いい朝カマン!」をテーマに毎日の習慣化を図っている。雪印メグミルクでは、電子レンジで簡単につくれる「カマンフォンデュ」を提案し、需要拡大をめざしている。
一方、もっちりした食感が特徴のモッツァレは、昨年秋に明治が「明治北海道十勝」ブランドで参入し、新たな需要を掘り起こして市場は活性化。今年8月には全国展開し、WEB動画などで食べ方提案を訴求している。森永乳業では、ハレの日のアレンジカプレーゼの提案のほか、加熱した時にもちもち食感になる特性を訴求した料理提案にも力を入れている。
また、昨年はお菓子づくりに使われ、大きく伸長したクリームチーズはその反動で今年上期は前年を下回ったが、19年対比では2ケタ増と好調に推移している。新規ユーザーの多くが流出しているものの、2~3割は継続購入につながっているといえそうだ。