ホームセンター・バイヤーが選ぶ年間ヒット商品2021 芳香剤部門第1位は?
「ズバッと除菌シリーズ」
クルマの消臭剤コーナーで除菌を提案、家庭用の除菌売場でも販路拡大
選評
ノウハウ、スピード、提案力がヒットの要因
これまでのカー・レジャー用品の芳香剤部門は、プロクター・アンド・ギャンブルの「ファブリーズ」ブランドが、ヒット商品アンケートで回答を占めてきた。今年はプロスタッフの「ズバッと除菌シリーズ」が回答の半分以上を占めて、堂々の受賞となった。同社からは、洗車・ワックス部門の「CCウォーターゴールド ウェットクロス」も受賞しており、2アイテムが選ばれたことになる。
プロスタッフは、除菌消臭剤「ズバッと滅臭シリーズ」を2002年より販売していたが、新型コロナ感染症が拡大する20年6月に、除菌を全面に打ち出した「ズバッと除菌シリーズ」を9アイテム発売した。
感染が拡大し始めたとき、日用品売場で除菌関連の商品が品薄になった。プロスタッフは、カー用品売場で同シリーズを展開することを提案。消費者も、密になる車内空間の除菌効果だけでなく家庭室内の除菌効果も期待して、購入するケースが増えた。
同社がそれまで培ってきた商品開発のノウハウとスピード、さらにクルマの消臭剤売場で除菌剤を展開する提案力が、ヒット商品につながった。
アンケートの中には「夏の食中毒、冬のインフルエンザ対策など通年での除菌・ウイルス対策の需要が増している」と回答したホームセンターもあり、今回はコロナ禍という特殊な背景もあったが、衛生面への消費者の意識の高まりもあった。今後は、カー用品売場の消臭剤コーナーは、消臭・除菌コーナーとして定番化していきそうだ。
アンケート結果
9アイテムで大量陳列も可能に
アンケート結果から「売場提案(販促)」に対して高評価が与えられている。
除菌剤の需要が高まったときに、アルコールや安定化二酸化塩素、界面活性剤などさまざまな成分が出回った。初めのうちは、成分いかんにかかわらず除菌剤を手に取る消費者が多かったが、落ち着きを見せ始めると、成分別の効果を知りたいという要望も顕在化した。
「ズバッと除菌シリーズ」は、安定化二酸化塩素を主成分とする6製品と、エタノール(75vol%)を主成分とする3製品がラインアップされた。プロスタッフは、成分別の特徴を紹介したPOPなどのツールを用意したことが、売場からの支持を集めたようだ。
また、スプレー、ミストエアー、置き型、ファンなどのタイプ別に品揃えをしたことで、売場のエンド展開など大量陳列も用意されたことも「売場提案」が高評価になった理由だ。
「価格」も高評価だった。買い求めやすい値頃感があったことも、ヒットした要因だ。
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