コスパの高さが認知され、依然高いシェアをキープする「チリワイン」

山田陽美(ライター)
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プチ贅沢が楽しめるプレミアムワインへのニーズ拡大

 おうち時間の増加による家飲み需要は継続することが予想され、ご褒美ニーズが高まり、日常のちょっと贅沢が楽しめるプレミアムワインへの関心が集まっている。一方で節約意識もいっそう高まり、支出には慎重になる層も増えそうだ。

 その点、チリワインは幅広い価格帯が揃っているため、それぞれのニーズに対応した品揃えが可能だ。低価格帯で市場をリードしているのが「フロンテラ」ブランド。リーズナブルな価格でありながら、単一品種でつくられており、品種による味わいが楽しめるのが魅力だ。「フロンテラ」は4年連続で売上を伸ばしており、スタンダードに加え、厳選されたブドウと収穫方法にこだわった、芳醇で上質な味わいのプレミアムシリーズがブランド全体を押し上げた。スタンダードとプレミアムを露出することで、ワイン選びの選択肢を増やし、単価アップにつなげている。

 一方、1000円以上の価格帯で人気なのが「カッシェロ・デル・ディアブロ」。主力のレセルバレンジでは、過去4年間で家庭用チャネルの販売を拡大させており、17年対比で20年は21.2%増と大きく伸ばした。これまで交通広告やキャンペーンなどでブランド認知を高めており、今春も豪華グルメ景品が当たるクローズドキャンペーンで、購買を喚起し、店頭回転率アップを図っている。

 コロナ禍では、感染防止を意識して量販店のワイン売場での滞在時間が短くなるなど、ユーザーの購買行動が変化しており、普段から見慣れているブランドが選ばれる傾向にあるようだ。POPなどを活用してチリワインの魅力を継続的に伝え、新たなファン拡大につなげていきたいところだ。

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