一時閑散も…90年代「裏原ブーム」の震源地は今どうなっている?

2024/10/09 05:56
堀尾大悟
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インバウンド対策が新たな課題に

――空き店舗がなくなりにぎわいが戻ったとのことで、商店会としても当面の課題は解消されたということでしょうか。

そういうわけではなく、今度は水際対策の緩和と円安が進んだことで、外国人観光客が原宿・表参道周辺にも大挙するようになり、インバウンド対策が新たな課題になっている。

私の会社も5年前ほどまで20年近くゴスロリ系のブランドを手がけていて、ラフォーレと組んで以前はパリのジャパンエキスポや市内に単独でポップアップショップを出店していたが、当時からジャパンエキスポに出演した日本のアイドルから日本のポップカルチャーやファッションにも火がついて、ここ原宿がそのトレンドの「聖地」になっている。日本のアニメの影響も非常に大きく、渋谷とともに「聖地巡礼」の場所として認知されている。

――外国人観光客にとってはどんなアイテムが人気なのですか。

今日のアパレルのトレンドは細分化されているので一概には言えないが、「オニツカタイガー表参道」は連日のように大混雑している。また、日本製のジーンズはとくに欧米の人にとって憧れの的で、キャットストリートにある「EDWIN TOKYO HARAJUKU」も人気だ。「日本のブランドは日本の旗艦店で買いたい」というニーズが高いようだ。

日本のファッションの編集力は世界的に評価されている。その代表例が「アメカジ」で、今や「amekaji」は「kawaii」などと同様に日本のストリートカルチャーを代表するキーワードの一つになっている。アメカジのビンテージ古着もよく売れているようだ。

ただ、総じて言うとこれというトレンドがあるというよりは、円安の影響で外国人観光客の購買力が高く、気に入ったアイテムがあれば20万円、30万円でもポンポン買ってしまう。かつて私たちが昔海外に行ってラルフローレンを安く感じたのと同じ現象が、この原宿でも起こっている。

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