チーズ市場、値上げの影響でスライスチーズは需要減、食べ方が浸透したモッツァレラは好調
日常的な食べ方が広がり、モッツァレラが好調
KSP-POSデータのナチュラルチーズの期間通算金額PIは、6977円で対前年同期比4.7%減。月別金額PIではすべての月で前年割れとなった。
ナチュラルチーズの中で好調なのが、もっちりした食感が特長のモッツァレラチーズ。森永乳業では、ハレの日のカプレーゼ提案のほか、加熱したときにもちもち食感になる特性を生かしたモッツァレラ鍋などの提案に力を入れている。また、明治では手でちぎって調理する「ちぎりモッツァレラ」を提案し、日常的な喫食機会を促進した。こうして食べ方提案が浸透したことでモッツァレラ市場は好調だ。
一方、健康効果や調理への活用が普及したことで拡大してきたカマンベールチーズだが、21年は前年割れとなった。各社では食べ方提案に力を入れており、明治では、アヒージョやフォンデュなど、カマンベールをまるごと使用するレシピを提案。雪印メグミルクでは、冷蔵庫から出して、15分程度食べるのをガマンしてもらう「#15分ガマンベール」を提案しており、余計な冷たさが取れることで、旨味がより際立つ。
また、カマンベールにブルーチーズを組み合わせた、よつ葉乳業の「大人のカマンベール&ブルー」が好調だ。日本人に合ったクセの少ないブルーチーズがカマンベールにほどよいアクセントを加え、大人ユーザーから支持されている。
輸入チーズの値上げにより、国産チーズとの価格差が縮んだことで、各社では国産チーズに注力しており、今後も国産チーズの需要が高まることが予想される。