カレー市場、時短・簡便・本格派がキーワード、こだわりの味わいを楽しむユーザーが増加

石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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家で楽しむ手作りカレーの価値を改めて訴求

 一方、レトルトカレーカテゴリーの21年6月から22年5月の金額PIは前年同期比0.3%増の4306円、数量PIは4.0%減の22.97となった【図表2】。同カテゴリーはルウカレーからの流入に加え、コロナ禍以降は在宅のランチ需要等も取り込み一気に需要が拡大したが、今期はその動きも落ち着いてきている。

図表❷レトルトカレーカテゴリーの金額PI月別推移

 月別の推移を見ると21年6月から8月までは前年を上回って推移していたが、9,10月に前年を割り込み、11月に前年並みに戻ったものの、年末年始には再び前年割れと以前のような勢いは見られない。

 レトルトカレーは欧風カレーのような定番品に加え、有名店監修や激辛系、ご当地カレーなどバラエティ豊かな品揃えが魅力だ。近年は電子レンジ調理対応のレトルトカレー商品も増えており、簡便性の高さから需要が高まりつつある。

 エスビー食品では「噂の名店」や「神田カレーグランプリ」「ホテル・シェフ使用ビーフカレー」が2ケタ増で推移。今期は10種類のスパイスを組み合わせた「S&Bスパイス屋」、人気グルメバラエティとコラボした「町中華で飲ろうぜ 豚バラ肉のカレー」を投入する。

 長引くコロナ禍の中で、家庭の定番メニューであるカレーの需要は今後も続くだろう。特にルウカレーは生鮮品との相性もよくバスケット単価の買上点数アップにつながる商品として、食品スーパーには欠かせない存在となっている。生鮮品とクロスMDも積極的に仕掛け、家で楽しむカレーの価値を改めて訴求していきたいところだ。

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