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コンビニ、スーパー、百貨店まで全網羅!セブン&アイ軸の流通相関図

相関図大

新会社ヨークが発足IYの「食品館」を移管

 一方のセブン&アイは、20年2月期に発表した事業構造改革を推進中だ。中核であるCVS事業については、店舗間競争の激化により客数減に歯止めがかからないことなどから、これまで毎年1500店前後あった新規出店数を低減する方針を打ち出した。そのうえ直近ではコロナの影響によりオフィス街や観光地立地の店舗を中心に業績が大きく落ち込んでいる。

 このように国内CVS市場が伸び悩むなか同社が注力するのが、M&A(合併・買収)による海外事業の拡大だ。米セブン-イレブン(7-Eleven)は20年8月、米国の石油精製会社マラソン・ペトロリアム(Marathon Petroleum)が運営するガソリンスタンド併設型CVS「スピードウェイ(Speedway)」を総額2兆円以上かけて買収すると発表している。

 もう1つ大きく改革を進めているのが、「首都圏食品戦略」と呼ぶ首都圏SMの組織再編だ。具体的には20年6月、SMのヨークマートをヨーク(東京都)に商号変更。同社を首都圏食品戦略の中核企業として、イトーヨーカ堂(東京都)の都市型SM「食品館」とDS業態「ザ・プライス」の計20店舗と、小型店の新業態「コンフォートマーケット」1店舗を傘下に収める体制とした。先行して20年4月には、そごう・西武(東京都)の高質SMシェルガーデン(東京都)もセブン&アイ傘下に移行し、合わせてシナジー創出を図る。

 ヨークは今後、「標準型」「都市型」「中・小型」「価格対応型」の4つのフォーマットを確立し、商圏のニーズに応じた店舗展開を図る。プロセスセンターやセントラルキッチンの導入のほか、将来的にはイトーヨーカ堂の食品事業やヨークベニマル(福島県)とも連携し、サプライチェーン全体の効率化を図りながらMD(商品政策)を強化し、収益性の改善をめざす。

 苦戦が続く百貨店のそごう・西武については、さらなる改革を断行する。具体的には21年2月期までに5店を閉鎖、2店の売場面積を減少させ、首都圏に経営資源を集中させる。また、転進支援、社外出向、社内配置転換などにより従業員約1400人の要員適正化を図り、約86億円の人件費を削減するとしている。

セブン&アイ・HD相関図

クリックすると画像が拡大します。該当の図表は電子書籍版(4/15より公開)でもご覧いただけます