好調の「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」2024年はインバウンド施策にも注力
2023年末時点で発売以来販売本数5億本※を突破したアサヒビールの大ヒット商品「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」。2024年は国内の消費者だけでなく、訪日外国人にも「生ジョッキ缶」ならではのワクワク感のあるビール飲用体験を訴求していく。※340mlと485ml合算の累計本数
これまでにない飲用体験で早くも5億本※突破!
「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」(以下、生ジョッキ缶)は「料飲店で飲むような本格的な生ビールを家でも楽しみたい」という消費者ニーズから開発をスタート。手や口を切らずに安全に全開する缶蓋の開発、まるでお店の生ジョッキのような泡立ちの実現などさまざまな課題をクリアし、2021年4月に発売された。
「生ジョッキ缶」最大の特長は缶の蓋が全開しクリーミーな泡が自然と出てくることに加えて、麦芽の香りが感じやすくなるとともに口に流れる液量が多くなり、まさにお店の“生ジョッキ”のような感覚で飲用できる点にある。ビールカテゴリーを牽引する「アサヒスーパードライ」に、「ジョッキで飲むようなおいしさ」「缶を開ける楽しさ」「クリーミーな泡立ち」という価値が加わった同品は、これまでのビールユーザーだけでなく、若年層をはじめとした新たな客層を獲得し、同社の大ヒット商品となった。
23年の夏のリニューアルでは、ビールのろ過条件など製造工程での精度をより厳しく管理することで泡の大きさが小さくなり泡のキメ細かさがアップ。また、缶を開ける際、最初に切れ込みが入る箇所の蓋の厚さのバラつきを改善することで、従来よりも蓋の開けやすさが向上している。パッケージも「スーパードライ」ブランドらしさが感じられるデザインへと変更された。
ビールカテゴリーは度重なる酒税改正も後押しし、新ジャンルや発泡酒からの流入も増えているが、「生ジョッキ缶」は23年12月末時点で、早くも5億本※を突破。カテゴリーの成長を牽引する存在となっている。
インバウンド需要も新たな追い風に
蓋を全開しクリーミーな泡が湧き上がる新奇性や、「料飲店で飲む生ビールを家でも楽しみたい」という消費者のインサイトをついたことで好調に推移する「生ジョッキ缶」だが、これは日本国内に限った話ではない。
アサヒビールでは23年5月に韓国で「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を発売。発売初日から品薄状態となり、今もなお人気が続くなど好評を博している。
また「生ジョッキ缶」の新たな追い風となっているのが、インバウンド需要だ。新型コロナウイルスの流行が沈静化したことや円安の影響もあり、日本への外国人旅行者が急増。2023年10月の訪日外国人は250万人を超え、コロナ禍前の2019年同月を0.8%上回り、単月としては初めてコロナ禍前の水準以上となり、インバウンド需要の回復がいっそう鮮明になっている。国・地域別の訪日外国人数を見ると韓国が最も多く、続いて台湾、中国、アメリカ、香港となっている。
インバウンド消費が再活性化するなか、アサヒビールではこの状況を商機とみて外国人観光客向けに「生ジョッキ缶」の訴求を行っている。
23年8月、同社では「生ジョッキ缶」の土産需要の獲得と、帰国後の継続購入につなげることを目的に、訪日韓国人を中心としたタッチポイントマーケティングを福岡県内で実施。具体的には福岡空港の国際線ターミナルビルのコンコースや、市内のバス停、太宰府駅の大型モニターによるデジタル媒体などに「生ジョッキ缶」の広告を展開し、SNSでもターゲティング広告を配信。さらに市内のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ディスカウントストアのほか、料飲店でも「生ジョッキ缶」の取り扱いを強化した。
福岡市の博多区・中央区の2エリアの量販店はタッチポイントマーケティング施策を行う前の1〜6月時点で前年比228%と好調に推移していたが、施策を実施した7〜8月には389%と大幅に数字を伸ばした。また広告については空港・バス停での接触率が高く、訪日韓国人が福岡滞在中に飲用または購入したビールブランドについても「生ジョッキ缶」が最も多くなっている。
この結果を受け、アサヒビールでは来期も外国人旅行者に向けたインバウンド対策を強化。「生ジョッキ缶」は現在、韓国のほか、台湾や香港でも販売されていることから、日本での飲用経験を帰国後の継続購入につなげるため、主にアジア圏の旅行者に向けて訴求する。エリアも今回大幅伸長した福岡に加え、東京や大阪、北海道でもインバウンド向けのプロモーションに力を入れていく。
ハレの日に「生ジョッキ缶」桜デザイン缶も発売
インバウンドという新たな成長の軸ができつつある「生ジョッキ缶」だが、国内ユーザー向けのブランディングにも注力する。とくに「生ジョッキ缶」は通常のビール類と比較し、人が集うシーンで飲用されることが多いため、ハレの日のワクワク感を盛り上げる存在として、「ハレの日=生ジョッキ缶」の完全定着をねらう。
まず、1月上旬製造分より、「アサヒスーパードライ」でもおなじみの桜デザイン缶を、「生ジョッキ缶」でも展開。さらに、取り付けることでよりジョッキで飲む気分が味わえる桜デザインのジョッキハンドルも景品として配布する。
この桜デザイン缶を皮切りに、アサヒビールではゴールデンウィークやお盆、ハロウィンなど年間を通じてハレの日シーンに合ったプロモーションをSNSのデジタル広告等を通じて展開。大型連休前にはサンプリングやリーフレットの配布などのイベントも行い、トライアルを促進する。
また家でもお店のような生ビールが楽しめる価値を訴求するYouTube企画や、食と連動した家飲みを訴求する店頭用POPも展開し、小ハレの日ニーズの獲得と継続購買につなげる。さらに、コロナ禍以降広がったアウトドアニーズに対応し、アウトドアでの飲用を訴求するPOPや蓋が開けやすくなるオープナーの景品も展開し、新たなトライアルの獲得をめざす考えだ。