今から始めても遅くない!巣ごもり消費に効くSNS活用で知るべき基本

竹内謙礼 いろは代表取締役
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新型コロナウイルス拡大による緊急事態宣言が解除されたものの、再び感染者数増が目立ってきた。とくに外食、小売店にとってはまた来店客が減り「巣ごもり消費」が一層進むことも予想される。そこで手をこまぬいているのではなく販促するにはSNSの活用が必要となる。その基本を経営コンサルタント竹内謙礼氏の「巣ごもり消費マーケティング」から一部抜粋して上編・下編にわけてお届けする。上編ではまずなぜSNSが有効かを知ろう。

ツイッター画像
商品PRに有効なSNS。まずどんな目的でどのツールを使うかをはっきりさせることが大切だ。2017年8月撮影(2019年 ロイター/Thomas White)

 巣ごもり中の消費者には、情報が届けにくい。家から出ないのでお店や商品の情報が目に触れにくく、営業マンや店員が直接アプローチすることができないので、購買意欲を湧かせることが難しい。消費者も感染対策に意識が向いてしまい、販促の情報を自ら取りにいくアクションが取りにくい状態になっている。

 そのような状況下で、SNSは有効な情報伝達手段となる。特にFacebook、Instagram、Twitterの3つに関しては、不特定多数の人に情報を発信することができるうえに、抱え込んだ優良顧客に対しても直接メッセージを送ることができる。

 また、今後、感染予防のために、入店制限や客数の絞り込みが必要になる可能性もあるため、客単価を上げることが急務となる。支払う対価に見合った商品やサービスであることをお客様に理解してもらうためには、SNSをはじめとしたネットの情報発信ツールを使い、商品やサービスの理解度を高めてもらう必要がある。

 しかし、新型コロナウイルスは短期間のうちに感染が広がってしまい、唐突に営業自粛に追い込まれた企業や店舗がほとんどである。SNSの販促の準備ができておらず、消費者側もすぐに巣ごもりに入ってしまい、情報発信する前にお客様との連絡が途絶えてしまった店舗も少なくない。そのため、ここではすでにSNSの対応をしているお店と、そうでないお店の2パターンに分けて解説する。

すでにSNSを運用していれば更新を怠らずに

 Facebook、Instagram、Twitterをすでに運用しており、一定の閲覧数を確保できている店舗は、継続して情報発信を続けていけば大きな問題はない。ただし、営業自粛の告知文を出しているだけで更新を怠っていると、お客様のほうも「どうせ情報を見に行っても閉店しているだろう」と認識してしまい、再開しても足を運ぶ店の候補からは外れてしまう。

 ここで強く認識してほしいことは、対面の接触には自粛要請が出たとしても、非対面の接触にはまったく自粛要請が出ていないという点である。それなのに、完全非対面のSNSの更新まで止めてしまうことは、お客様との縁を自ら絶ってしまうことになる。「あの店はコロナで潰れた」とお客様に誤解を与えてしまう要因にもなりかねない。収束後に景気回復の波が来ても、その流れに乗れなくなってしまう恐れが出てきてしまう。

 消費者の好みによって利用するSNSがバラバラのため、Facebook、Instagram、Twitterの3つの情報発信ツールを活用して、営業自粛中であっても定期的に情報発信は続けたほうがいいだろう。3密を守って感染予防の体制がしっかりできている状態であれば、お店の様子を写真や動画でアップすることで、お客様も安心して足を運ぶことができるようになる。

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