本業もリテールメディアも好調 死角なしウォルマートの最新戦略
世界最大の小売企業であるウォルマート(Walmart)が、依然として力強い成長を続けている。リアル店舗という資産を最大限に生かしながら取り組むEC事業が業績を牽引すると同時に、リテールメディアや生成AIの活用など新たな領域でも存在感を高めている。小売の巨人の行く末とは──。
23年度も不変の強さを示す
ウォルマートの2023年度の連結売上高は6481億2500万ドル(対前年度比6.1%増)、連結営業利益高270億1200万ドル(同32.2%増)、連結最終利益高155億1100万ドル(同32.8%増)だった。

昨年は金利引き上げやインフレで買い回り品需要が落ち込んだこともあり、収益を悪化させる企業が少なくなかったので、ウォルマートの強さが際立ったと思っている。利益率の大幅増は22年度に落ち込んだものが昨年元に戻ったからである。
落ち込んだ最大の理由は在庫過多による値下げだった。昨年度の総在庫高はマイナス、棚卸資産回転日数は8.2から4.9へと大きく改善しており、パンデミックで膨れ上がった在庫の調整が終わったことが数値で見て取れる。
既存店成長率(ガソリン売上高除く)は米国ウォルマートが5.6%増、メンバーシップホールセールクラブのサムズクラブが4.9%増、連結で5.5%増だった。米国ウォルマートの伸び率には、ストアピックアップとデリバリーによるEC売上の2.6%増が寄与していると決算書には記されている。
既存店の好調の理由として挙げられているのは
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