北米でペットフードの入手困難に、トウモロコシ・大豆相場高が響く
[シカゴ 29日 ロイター] – 北米では、ペットの飼い主がアマゾン・ドット・コムなどの小売り大手から特定のペットフードを購入するのに腐心している。小売業界が需要増加と供給不足に見舞われていることが背景にある。
米業界団体ペットフード協会によると、ペットフードの原材料コストは、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、8─20%上昇。6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇したが、この伸びを上回っている状況だ。
米経済の回復が勢いを増す中、トウモロコシや大豆、肉類といった日常食料品の価格上昇に加え、輸送および労働コストもかさんでおり、動物と人間の食料供給全般に影響が及んでいる。
多くのペットフードの主要原材料である米国産トウモロコシと大豆相場は、今春に8年ぶり高値を付け、これらの原料を利用する製造会社は苦境に陥っている。
ペットフード協会は、動物性および植物性油脂の多くが再生可能燃料にも供給されているとして、ペットフードメーカーもこれらの油脂を巡る激しい争奪戦に直面していると指摘した。同協会は6月、米農業関係者に宛てた書簡で、「原材料などの価格がこれまでになく上昇しており、国内の犬や猫のペットフードを確保する戦略の計画および実行が危ぶまれている」と警告した。