[ニューヨーク 13日 ロイター] – 国連経済社会局(DESA)は13日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって経済活動が急速に制限され、不確実性が増したことにより、世界経済は2020年に3.2%縮小することが見込まれると発表した。
DESAは21年の回復は段階的なものにとどまる可能性が高いとし、「20─21年で失われる世界の域内総生産(GDP)は約8兆5000億ドルと見込まれ、過去4年間で得た累積のGDP増加分をほぼ喪失する」とした。
また新型コロナのパンデミックによって、経済と公衆衛生が「いかに密接に関連し、相互に補強しあっているか」が示されたと指摘。「経済統合と相互依存から得られるメリットと比べ、パンデミックに関するコストが高すぎるとの見方から、各国が相互依存を低下させ、供給網を分断させるかもしれない」とし、「パンデミックに対する取り組みが長期間続き、経済コストが過度に高くなった場合には貿易やグローバリゼーションが根本的に変化するだろう」とした。
さらに、パンデミックによる雇用と収入の大幅な喪失が世界的な貧困を悪化させると警告。「基本シナリオによると、非公式な経済活動分野に従事する数百万人を含め、3430万人が今年、新たに極度の貧困層となり、そのうち56%をアフリカ諸国が占める」とした。