[北京 10日 ロイター] – 中国国家統計局が発表した2月の生産者物価指数(PPI)は、前年比0.4%低下した。新型コロナウイルスの感染拡大で企業活動が打撃を受ける中、再び低下に転じた。
アナリストの予想は0.3%低下。
PPIは、6カ月連続で低下した後、1月に0.1%の上昇に転じていた。
OCBC銀行(シンガポール)の中国担当エコノミスト、Tommy Xie氏は「原油安を背景に一段の低下が見込まれる。新型コロナウイルスによる打撃や原油価格の急落は、米中通商協議の進展を背景としたセンチメントの改善に影を落としている」と指摘した。
2月の消費者物価指数(CPI)は、前年比5.2%上昇し、市場予想と一致した。1月は5.4%上昇だった。
2月のCPIは前月比では0.8%上昇し、こちらも市場予想と一致した。
中国は新型ウイルスの感染拡大阻止に向け大規模な検疫対策を実施し、工場の生産を限定している。
最新のロイター調査によると、第1・四半期の中国の経済成長率は前期の半分程度になる見込みで、追加の利下げが見込まれている。
インフレ率は、原油価格の急落と外需の低迷で今後数カ月さらに鈍化する見込み。
キャピタル・エコノミクスのシニア中国担当エコノミスト、ジュリアン・エバンズプリチャード氏は「コアインフレ率の鈍化とPPIのさらなる低下で、追加の金融緩和の圧力が増すだろう」と述べた。
発表済みの2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は過去最低、1─2月の輸出は前年比17.2%減で、新型コロナウイルスの影響の大きさが示された。
中国当局者は、今後数週間以内に政府が引き続き財政・金融措置を打ち出すことを示唆している。
2月の食品CPIは前年比21.9%上昇、非食品は0.9%上昇だった。
新型ウイルスの流行で、豚肉や野菜など一部の食品、マスクや衛生用品などの医療製品は価格が急騰した。