最新版!アメリカ小売業ランキングトップ10 成長続くも業態・企業で明暗
EC投資を加速させるクローガー インフレ下でコストコは絶好調
米SM最大手のクローガーは、販売額こそプラスを維持したものの、取り巻く環境には暗雲が垂れ込めている。1つは、22年に発表した業界第2位のアルバートソンズとの合併が反トラスト法(日本の独占禁止法にあたる)に抵触する疑いから、米政府が阻止する動きを見せていることだ。複数の州からも提訴されるなど、事態は暗礁に乗り上げている。
また、21年に英オカド(Ocado)との提携によって稼働を開始している大型物流施設「カスタマー・フルフィルメントセンター(CFC)」の新規設置を凍結。さらに既存CFCについても一部を閉鎖しており、物流の根幹をなすCFC戦略の見直しが今後業績にどう作用するか気になるところだ。
他方、インフレを追い風に成長を続けるのが、5位コストコだ。23年の販売額は前年から6.0%増、米国の既存店売上高も前年を超えている。新規出店も積極化しており、昨年末にはウォルマート系の同業サムズ・クラブ(Sam’s Club)の店舗数を上回るなど、存在感をより高めている。
6位のターゲットは前述のとおり前年から販売額を減らしたものの、物流システムの効率化やプライベートブランド商品の販売強化により、収益改善が進んでいる。出店戦略面では、最近新たに開発した大型フォーマットと、既存の標準フォーマット、さらに大都市圏内をメーンとする小型店のマルチフォーマットでの出店を加速している。
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長引くインフレによる経営コストの高騰、そして業態を超えた競争激化は米国においても共通の事象だ。そうした厳しい経営環境の中で成長を持続させるべく、各社は出店、フォーマット開発、EC強化、物流効率化といったさまざまなテーマのもと試行錯誤を続けている。
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