見た目もおしゃれで、ビーガンにも最適!納豆とキムチがアメリカで人気が高まっている事情
ウォルマートやクローガーでも“普通”に売られているキムチ
続いては、アメリカでのキムチ人気について、記したい。世界のキムチ市場の規模は、2018年に30億ドルに達し、2025年までに42億8,000万ドルに成長すると見込まれている。アメリカの健康専門月刊紙「Health(ヘルス)」が、キムチを世界で最も健康によい5大食品の1つとして発表して以来、じわじわと人気が広がっている。キムチはビタミンA、B、Cなど主要なビタミンが豊富で、植物性乳酸菌もたっぷり含まれている。
現在、アメリカでは韓国の食品メーカーPulmuoneの包装済みキムチが、最大の市場シェアを獲得している。調査会社ニールセンによれば、Pulmuoneの今年8月の市場シェアは、40.4%だった。Pulmuoneによれば、ナンバーワンの地位を獲得できたのは、ウォールマート3,900店舗、全米最大のスーパーマーケットチェーン・クローガー1,100店舗とパートナーシップを結んだことによる影響が大きいという。韓国の既製のキムチ製造業者と、アメリカの小売業者との間では最大のパートナーシップといえる。また、キムチが韓国産であることを示すよう、ラベルを貼ったり、アメリカの消費者の嗜好にあったキムチの開発を続け、キムチ市場を拡大していった。またPulmuoneのキムチのパッケージにも、Probiotic、Veganの文字が並ぶ。
Mother in Lawという名前のキムチの製造業者は、全国の自然食品スーパーで売られた初めてのキムチだ。同社は、アメリカで急速に普及し、ホールフーズマーケットやThe Fresh Marketなどの大手自然食品スーパーで販売されている冷蔵キムチの先駆者として知られている。本格的で、手作りのキムチを提供していると自負する。発酵食品であるキムチを試すのが怖いかもしれない消費者が手に取りやすいように、パッケージに「高級チーズのように熟成されたキムチをお楽しみください。肉やグリルドチーズサンドイッチ、卵などと一緒に食べても美味しいですよ」と記すなど、工夫をしている。パッケージには、Probiotic、Gluten free(グルテンフリー)の文字も書かれている。
かつて、アメリカでキムチは、アジア系の食品スーパーのみで買える物であったが、現在ではコストコやホールフーズマーケット、ウォールマートなどの多くの主流小売店で販売されている。韓国風の新しいアメリカ料理には、キムチ入りタコス、キムチマックアンドチーズなどが出てきた。
美味しさはもちろんのこと、味やパッケージに一工夫を加えてオリジナリティを出したり、プロモーションにちょっと手を加えることで、日本の伝統的な発酵食品も、アメリカで新しいマーケットを獲得できるチャンスがあるかもしれない。