単独での黒字化は不可能?中国で追いつめられる Qコマースの根本的な問題とは

牧野 武文(ライター)
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買い物客でにぎわう上海の繁華街
中国では、2015年創業の「毎日優鮮」(ミスフレッシュ)、17年創業の「ディンドン買菜」がQコマース業界をリードする存在で、昨年には相次いで米国証券取引市場に上場を果たした。(2021年 ロイター/Aly Song)

 生鮮を含む食品をスマホで注文すると、30分以内に商品が届く即時配達サービス。日本や欧米などではクイックコマース(Qコマース)の名称で定着しつつある。中国では、2015年創業の「毎日優鮮」(ミスフレッシュ)、17年創業の「ディンドン買菜」がQコマース業界をリードする存在で、昨年には相次いで米国証券取引市場に上場を果たした。

 しかし上場に際して財務状況が公になると、投資家からは「本当に利益が出るビジネスモデルなのか?」と疑問符がつけられるようになり、足元で株価は低迷している。ミスフレッシュに至っては、今年6月にナスダックから「上場廃止基準に該当する」との警告まで受けている。

収益構造の致命的な問題

 Qコマースの痛点は、運営コストがかさむことだ。30分以内に配送するため、配送地域の中に80㎡から300㎡程度の小型倉庫を多数配置しなければならない。1つの倉庫で扱う商品SKU数は3000から4000程度で小型スーパー(SM)並みの品揃えだ。この小型倉庫は中国では「前置倉」(日本でいうダークストア)と呼ばれるが、その運営コストは馬鹿にならない。なんといっても

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