国内ユニクロ事業が売上収益1兆円を突破 ファーストリテイリング本決算を徹底分析
ファーストリテイリング(山口県/柳井正会長兼社長)の2025年8月期連結決算では、国内ユニクロ事業の売上収益が初めて1兆円を突破した。海外ユニクロ事業も好調で、全社では売上収益、営業利益が4期連続、最終利益は5期連続で過去最高を更新した。10月9日に開催された決算説明会で、柳井会長兼社長は「従来の概念を超えたケタ違いの成長を実現したい。グローバルでブームが来ているのではないか」などと展望を語った。

ユニクロ事業は国内外ともに過去最高の業績
ファーストリテイリングの2025年8月期の連結決算は、売上収益が対前期比9.6%増の3兆4005億円、事業利益は同13.6%増の5511億円、営業利益が同12.6%増の5642億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益が同16.4%増の4330億円だった。
国内ユニクロ事業の売上収益は同10.1%増の1兆260億円、事業利益は同17.5%増の1813億円、営業利益は同18.4%増の1844億円と2ケタ増収増益となった。アパレル企業で国内売上高が1兆円を超えるのは初めての出来事だ。
気温に合わせた戦略的な商品展開が、販促策と連動したことで実需を捉えた。スウェットやストレートジーンズなどのコア(核)商品に、時流のシルエットやデザインを反映し、新たな需要を喚起した。これらの取り組みにより既存店売上高が同8.1%増と好調に推移し、売上収益1兆円突破に寄与した。

海外ユニクロ事業の売上収益は同11.6%増の1兆9102億円、事業利益は同10.6%増の3053億円、営業利益は同9.1%増の3093億円と全体業績の好調をけん引した。
北米、欧州、韓国と東南アジア・インド・豪州地区は大幅な増収増益となった。コア商品の好調に加え、効果的な販促や精度の高い出店が奏功したという。最大の売上ボリュームを有する中華圏(中国本土、香港、台湾)は減収減益だったが、韓国と東南アジア・インド・豪州地区の売上・利益が同規模に成長し、収益の柱が増えた格好。今年進出20周年を迎えた北米と欧州は大幅な増収増益と絶好調で存在感を高めた。

一方でジーユー事業は、マストレンドをとらえたヒット商品が不十分で、売れ筋商品の欠品が発生するなど苦戦。同事業の売上収益は同3.6%増の3307億円、事業利益は同12.6%減の283億円、営業利益は同9.5%増の305億円と増収減益だった。
グローバルブランド事業はとくに「セオリー」が苦戦し、売上収益は同5.3%減の1315億円と減収で着地。利益面では「コントワー・デ・コトニエ」の赤字幅が半減したことで事業利益は26億円の黒字、営業利益は同事業の事業構造改革に伴う減損損失の影響で9億円の赤字を計上した。





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