ワタミ、25年3月期決算を発表 国内外食、宅食、海外の主力3事業が増収増益に
宅配弁当の新商品開発に注力
主力の3事業である国内外食、宅食、海外事業をセグメント別に見ていくと、国内外食事業の売上高は同7.3%増の343億円、営業利益は同23.2%増の16億円だった。コロナ禍が明けての宴会需要の復活により居酒屋業態の売上高が増加したのに加え、インバウンド需要により焼肉業態、すし業態も好調に推移した。
さらにワタミは、24年10月に日本サブウェイ(東京都/阿相智久社長)を子会社化し、アメリカのサブウェイ社と日本国内での直営店の出店に加えて、フランチャイズ(FC)を募集する権利を得るマスターフランチャイズ契約を締結した。これにより、サブウェイのFC店舗186店を承継し、25年3月末の国内外食事業店舗数は全業態で492店舗となった。
宅食事業は、弁当や総菜の累計販売数こそ前期を下回ったものの、価格戦略や生産性向上の取り組みが奏功し、売上高は同0.4%増の402億円、営業利益は同16.3%増の47億円で増収増益となった。
同事業では新商品として、和食を中心とした冷蔵の宅配弁当「好い日の御前」(税込450円・ 1食あたり)を25年3月から一部地域で先行販売。25年10月から全国での取り扱いがスタートする。渡邉会長兼社長は「品質にこだわったうえで、手頃な価格を実現できた。この物価高のなかでも、価格優位性の高い商品に仕上がっている」と自信を見せた。
新商品の投入に加え、冷凍食品の取り扱いも拡充し、25年度は弁当や総菜を含めた累計販売数を前年度の24万食から28万食へと増やすことをめざす。
アジア圏を中心に展開する海外事業は、売上高が同57.8%増の108億円、営業利益が1億円(前期は1億円の赤字)だった。香港における不採算店舗の整理に加え、24年2月にシンガポールの外食向け食品会社「Leader Food」、同年4月に米国で寿司の製造・卸売を手がける「SONNY SUSHI COMPANY」からの事業承継により増収増益となった。

26年3月期は、国内外食事業ではサブウェイの35店舗の新規出店、宅食事業では累計販売数28万食の達成、さらに海外事業では米国での出店を目標に掲げる。
なお、ワタミは26年3月期の業績予想について、現段階ではウクライナ情勢や米国の関税政策などにより不確実性が増しており、合理的な予測が困難なことから業績予想は現時点では未定としている。今後は情勢の推移を注視しつつ、予測が可能となった時点で改めて開示する方針だ。





