イズミ、2024年度決算はシステム障害影響で減益着地 カギを握る「サニー事業」の方針は
自社開発のPBを本格導入へ PB比率10%を目標に
イズミは25年度、「サニー」事業の安定稼働を図りつつ、低価格商品の拡充など、遅れていたインフレへの対応により業績回復を図る方針だ。
「サニー」事業では、24年度に対応できなかった原価の低減や経費の見直しを実施し、本来「サニー」が持つ高い収益力に近づけることを目標とする。同事業では25年度、営業収益が対前期比69%増の841億円、営業利益が同300%増の27億円を見込んでいる(のれん償却前の計画数値)。
さらに今後は「サニー」が持つローコストオペレーションのノウハウを既存店舗に波及させ、収益力の高い「新規SM事業」の創出を図る。この取り組みに合わせ、25年4月付で「食品本部」の下に「新規SM事業商品部」を新設。将来的には、「新規SM事業」を中核業態である総合スーパー(GMS)に並ぶ収益の柱として育成する方針だ。
商品戦略では、自社開発のプライベートブランド(PB)を本格展開していくことを発表している。第1弾として、25年9月から低価格帯の商品群を順次投入予定だ。
イズミは総菜部門のオリジナルブランド「zehi(ぜひ)」、業務提携関係にあるセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)の「セブンプレミアム」などのPBを販売しているが、これらに加えて、低価格PBを新たに導入することで、価格を重視するお客の来店を促進し、消費の二極化に対応する。「10年後には、食品売上高に占めるPB比率を10%まで引き上げることを目標に開発を進める」(町田社長)という。
また、25年度も店舗新設への投資を継続する。年度計画では子会社の2店舗を含め、合計5店舗の新規出店する予定で、25年3月には、広島駅の駅ビル「ミナモア」4階に、バラエティコスメショップ「ア・フルール プティminamoa広島店」をオープン。イズミにとって、自社以外の商業施設に出店する初の試みとなった。
一方で、同社はランサムウェア攻撃の被害などで経営環境が大きく変化したことを鑑み、25年度通期の数値が第2次中期経営計画(22年2月期~26年2月期)の業績計画から乖離すると判断。これに伴い、26年2月期(25年度)の見込み数値を修正している。
26年2月期(25年度)の通期業績予想は、営業収益が対前期比12.6%増の5901億円、営業利益が同20.7%増の307億円、経常利益は同18.2%増の304億円、当期純利益が同53.5%増の183億円を見込む。






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