ハンズマンの25年6月期中間決算は増収増益! 今後の出店計画は
ハンズマン(宮崎県/大薗誠司社長)は2月25日、2025年6月期第2四半期の中間決算説明会を開催し、大幅な増収増益となったことを発表した。23年に本州第1号店としてオープンした「ハンズマン松原店」(大阪府松原市:以下、松原店)の売上が増収に寄与したかたちだ。また、大薗社長は会見の中で今後の出店計画についても触れた。

松原店が増収に寄与
ハンズマンの25年6月期第2四半期決算は、売上高が対前年同期比5.3%増の177億円、営業利益が同61.5%増の6億円、経常利益が同52.5%増の7億円、当期純利益が同52.5%増の5億円だった。既存店の安定した売上と、松原店の出店効果が業績を支えた。また、前年同期は松原店開業に伴う初期投資費が発生していたが、上期はその負担がなくなったことで利益率が改善した。
既存店売上高は前年比1.6%増となり、松原店を含めた全体では0.2%増となった。客単価は同3.4%上昇したものの、物価高の影響で買上点数は減少。来店客数の低下も見られたが、DIYアドバイザーの接客強化や商品の品揃えの強化により、全体の売上は好調に推移した。
このうち、23年に本州第1号店として開店した松原店は、オープン後も好調を維持。来店客のうち平日は約12%、休日は約17%が大阪府外から訪れるなど、広域からの集客力が強みとなっている。初年度の年商は46億円で、今後10年をかけて1.5倍に成長させる計画だ。
なお、松原店は、開業2年目にあたる今期は2億5000万円の赤字となる見込みだが、来期には黒字転換、15年目で投資回収することを想定している。
13号店は立地選定の段階へ
ハンズマンは現在、既存店の改装と商品アイテム数の拡充を推進している。顧客の要望に基づく新商品導入を加速してアイテム数を増やすとともに、円安や原材料高の影響で廃盤となった商品の代替品を迅速に確保する。加えて、売場の改装を進め、店舗の魅力を向上させることで来店客数の回復を図る。また、プロ向けの建材や工具の取り扱いを強化し、顧客層の拡大につなげたい考えだ。

人材育成と販売力の強化にも注力する。DIYアドバイザー資格の取得者数を増やし、接客力向上を図るとともに、従業員研修を強化し、専門知識を生かした提案販売を推進する。
さらに、コスト管理と収益性向上を徹底し、円安や原材料高の影響を最小限に抑えるために仕入れコストの最適化を図る。また、販管費の適正化を進めるほか、光熱費を削減するため省エネ設備の導入も積極的に進めていく。
こうした取り組みにより、ハンズマンは25年6月期の通期業績は売上高が対前期比5.2%増の358億円、営業利益が同49.5%増の13億円、経常利益同43.3%増の15億円、当期純利益同34.4%増の10億円の達成を見通す。
会見では13号店の出店についても触れられ、現在、大阪、名古屋のほか関東地方で複数の候補地を検討中で、デベロッパーや金融機関からの紹介も増えているという。最低でも松原店規模の大型店舗を計画し、物流の効率化を考慮した立地選定を進める考えだ。
大薗社長は「新規出店には巨額の投資が必要であり、短期的には利益が圧迫される可能性もある。しかし、営業利益率5〜7%の水準を維持できる事業モデルの確立を図っていく」と意気込んだ。