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野村HD、21年7―9月期の連結純利益は95%減 米事案で引当金390億円計上

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10月29日、野村ホールディングスが29日発表した2021年7月―9月期の連結決算(米国会計基準)では、純利益が前年同期比95%減の32億円、税前利益が同78%減の185億円だった。写真は2016年11月、東京で撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 29日 ロイター] – 野村ホールディングスが29日発表した2021年7―9月期の連結決算(米国会計基準)では、純利益が前年同期比95%減の32億円、税前利益が同78%減の185億円だった。米国における世界金融危機以前の取引事案で引当金約390億円を計上した。

電話会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は第2・四半期について「金融危機前のレガシー案件に対する引き当てが当期純利益に影響し、非常に不本意な決算となった」と発言。詳細については、継続中の訴訟案件として、コメントを控えた。

営業、インベストメント・マネジメント、ホールセールの主要3部門の税前利益は、43%減の570億円だった。

ホールセール部門は、62%減の250億円。金利プロダクトの減速などでフィクスト・インカムが減収した。北村CFOは「難しい市場環境だった」と振り返った。一方、インベストメント・バンキングでは、4四半期連続で高い収益水準を維持した。

上半期では、連結純利益が75%減の517億円、税前利益が63%減の970億円だった。引当金の計上と米顧客関連取引における追加損失などが響いた。

ムーディーズ・ジャパンの佐藤俊作VPシニア・クレジット・オフィサーは、上半期決算が減益となったことは信用評価上ネガティブと指摘。第2・四半期の主要3部門における税引前利益が第1・四半期から減少したことも踏まえ、野村HDの収益力は低下していると評価した。

通期の業績予想は開示していない。中間配当は1株当たり8円とした。