野村HD、法人向け改善で前期2年ぶり黒字 新型コロナで評価損も

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野村ホールディングスが8日発表した2020年3月期連結決算(米国会計基準)は、法人向けのホールセール部門で収益を伸ばし、純利益が2170億円の黒字となった。写真は2015年12月、東京で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 8日 ロイター] – 野村ホールディングスが8日発表した2020年3月期連結決算(米国会計基準)は、法人向けのホールセール部門で収益を伸ばし、純利益が2170億円の黒字となった。前期は1004億円の赤字で、最終黒字は2年ぶりとなる。新型コロナ感染拡大に伴う市場急変で1―3月の四半期では、同部門で約350億円の評価損を計上した。

20年3月期は、金融費用控除後の収益が1兆2878億円と、前年同期比15%の増収だった。税前利益は2483億円の黒字で、純利益とともに黒字を確保した。

営業やアセット・マネジメントなど主力3部門のうち、ホールセールの伸びが大きく、同部門の税前利益は922億円の黒字となった。リーマン買収後の収益力低下で「のれん」の減損を計上した19年3月期は1114億円の赤字だった。

野村総合研究所(NRI)の株式売却や、構造改革の柱に据えるコスト構造見直しも利益全体を押し上げた。同社が掲げるコスト削減目標(22年3月までに1400億円)の達成率は7割程度で、北村巧財務統括責任者(CFO)は「3月末時点で1000億円程度のコスト削減となった。今後も損益分岐点を引き下げていく」と記者団に語った。

四半期ごとの比較では20年1―3月期の収益が2375億円と、前四半期比29%の減収だった。純損益は345億円の赤字となった。

主力分野の税前損益は営業部門以外で振るわなかった。アセット・マネジメント部門はアメリカン・センチュリー・インベストメンツの関連損失が響き、1―3月期は87億円の赤字だった。ローン関連の評価損を計上したホールセール部門では101億円の黒字を確保したが、前四半期比では77%の減益となった。

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