街角景気、10ポイント超の改善 持ち直し顕著も昨年秋には届かず
[東京 8日 ロイター] – 内閣府が8日発表した2月の景気ウオッチャー調査で景気の現状判断DIは41.3となり、前月から10.1ポイントと大幅上昇し、4カ月ぶりの改善となった。家計、企業、雇用とも年末年始から動きが活発になり、2月も3分野全てでDIが上昇した。ただ、DIは12月、1月の30台からは上昇したとはいえ、昨年11月の水準は回復しておらず、依然として活動水準は低い。
内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる」として、前月の「このところ弱まっている」から上方修正した。
家計動向関連では「緊急事態宣言は継続中であるが、1月と比べて若干改善傾向にある。売り上げが前年比で7割程度に戻っている」(東海・コンビニ)といった声がある。また「食品の物産催事やバレンタインの企画等は高額品から品薄となり、自分へのごほうび需要が顕著にみられる」(北陸=百貨店)など、緩やかな回復傾向がうかがえる。
企業活動では「自動車関連や建設機械関連等で、堅調な受注を維持している」(北関東・一般機械器具製造業)など、生産活動が一定水準を維持しているもよう。
ただ一方で「2回目の緊急事態宣言が出てから、店舗の閉店が増えている。賃料の減額要求もきており、景気が悪くなっていると感じる(近畿・不動産業)と、業種によっては厳しい状況はあるようだ。
先行きについては、内閣府は判断を「感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている」とした。
「新型コロナウイルスワクチンの接種が始まることで、少しずつ人の流れが出てくるのではないかと期待している」(北海道・タクシー運転手)など、期待感は大きい。緊急事態宣言の解除後を見据えて「今よりも来客数が増える。ステイホームでのストレスが発散され、購買意欲は更に高まると感じる」(近畿・家電量販店)との声も出ている。