3月のユーロ圏総合PMI速報、新型コロナで急低下
[ロンドン 24日 ロイター] – ユーロ圏の3月の景況感は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で急激に悪化した。IHSマークイットが発表した3月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は過去最低を記録した。
3月の総合PMI速報値は過去最低の31.4。2月の51.6からの低下幅も1998年半ばの調査開始以来、最大となった。ロイターがまとめた市場予想中央値(38.8)も下回った。
IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏の企業活動の悪化度合いは世界金融危機が最高潮だった時以上だ。フランス、ドイツをはじめとするユーロ圏諸国では、政府が感染封じ込め策を強化するなかで景況感が急激に悪化した」と述べた。
PMIの構成項目はすべて、景況拡大と悪化の節目である50を下回った。特に新規受注は51.2から29.5に下がり、過去最低となった。
「3月のPMIは、GDPが四半期ベースで2%程度のマイナスとなったことを示唆し、景気がさらに悪化する可能性があることは明らか」とウィリアムソン氏は指摘した。
サービス部門PMIは52.6から28.4に急低下。ロイターが調査した市場予想の下限も下回った。企業は3年強ぶりに価格の引き上げに転じ、楽観度を示す指数も61.3から34.8へと一気に悪化し、調査開始以来の最低となった。
製造業PMIも悪化したが、悪化の程度はサービスほどではなかった。2月の49.2から3月は44.8に低下し2012年7月以来の低水準となったが、ロイターがまとめた予想(39.0)は上回った。生産指数は48.7から39.5に低下し2009年4月以来の低水準。新規受注は49.4から38.2に低下し約11年ぶりの低水準となった。