調査会社のエヌピーディー・ジャパン(東京都港区、以下NPDジャパン)によると、消費増税後の10月は小売業と外食業のイートイン(店内飲食)の売上高が落ち込んだ。テイクアウトや出前の場合は8%の軽減税率が適用される一方、イートインの場合は10%となる影響が出た。
コンビニエンスストアやスーパーなど小売業のイートインは、10月の売上高が前年同月比16.7%減と大幅なマイナスとなった。客数が21.9%減少したことが大きい。テイクアウトも台風の影響などで客数が減少、売上高は0.2%のマイナスだった。
増税前の小売業のイートインの売上高は、8月が10.3%増、9月が11.4%増となるなど4ヵ月連続で2ケタの増加が続いていた。コンビニやスーパーでは、イートインの設置店舗を増やしているが、増税によって市場拡大にブレーキを掛けられた格好となった。
一方、外食業の10月のイートインの売上高は、5.4%減だった。店内で飲食する客が7.6%減少した。逆にテイクアウト・出前の利用客は6.1%増え、売上高は12.5%増と2ケタの増加となった。ただ、外食業ではイートインの売上高が全体の84%を占めるため、店内飲食客の減少は痛手となっている。
NPDジャパンでは、「消費増税により、特に専業主婦の節約志向が強まり、10月は外食・中食を減らす傾向が強くなった」としている。