[東京 8日 ロイター] – 総務省が8日発表した12月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は31万7206円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.2%減となった。5カ月連続のマイナスとなった。
新型コロナウイルスの感染者数が比較的抑えられていたため、外出自粛の緩和で飲食・宿泊などサービス消費は回復したが、巣ごもり需要の減退で耐久財や食料などは減少した。
ロイターの事前予測調査では同0.3%増が予想されていた。
季節調整済み実質消費支出は前月比0.1%増となり、2カ月ぶりのプラス。
前年比で減少に寄与した品目は、テレビやパソコンなどの教養娯楽用耐久財や魚介類、野菜などの食料。一方、飲食代などの外食や宿泊料などの教養娯楽サービスはプラスに寄与した。
日本総研の下田裕介・主任研究員は、「感染の落ち着きで人出が回復したためサービス消費は持ち直したが、消費全体でみると回復度は限定的だった」と指摘。
「消費は感染拡大に大きく影響される。年明けは、オミクロン株の感染は想定以上に急拡大した。外出自粛で消費が一時的に下振れるだろう」とみる。
また、同氏は物価高が消費者マインドに影響を与える可能性や、感染拡大で供給制約などにより自動車の生産が抑制され消費を抑えるリスクなども指摘した。
消費支出をコロナ前の2019年12月と比較すると、1世帯当たりの消費支出は0.9%減少。飲食代や鉄道運賃、パック旅行費などは引き続き下落幅が大きかった。
2021年暦年(2人以上の世帯)では、月額平均の消費支出が27万9024円、実質0.7%の増加となり、2年ぶりのプラス。交通・通信などがプラスに寄与した。