JMホールディングスが東京ローカルのスーパーみらべるを買収へ! そのねらいは?

棚橋 慶次
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急成長を続けるJMホールディングス

 一方、買収側のJMホールディングスは、売上高1408億円(2022年7月期)でスーパーマーケット業界の売上高ランキングでは25位前後のポジションにある。驚くべきはその成長スピードだ。同社はこの10年間で、売上を4倍以上に拡大している。CAGR(Compound Annual Growth Rate:年平均成長率)は16.4%に達し、業界平均CAGR(2.1%)を大きく上回る。

 JMホールディングスの創業は1945年、茨城県行方市にて「丸八肉店」として食肉卸をスタートした。小売業への展開は1983年、ジャパンミートとして、もともと得意分野とする精肉を軸として、総菜・鮮魚・青果部門と守備範囲を拡げてきた。1店舗巨艦主義による巨大ホームセンターを展開するジョイフル本田(茨城県)の店内に出店し、圧倒的な低価格と集客力で業容を拡大してきた。

 部門拡大のバネとしてきたのがM&A(合併・買収)だ。2003年に黒田青果(水戸市)を、翌年には鮮魚の兼高(水戸市)を、さらにその翌年にはそうざい男しゃく(常陸大宮市)を買収したのも、精肉以外の部門強化が目的だ。もちろん祖業の強化にも余念がなく、2014年には食肉加工卸の霞南フードサービス(土浦市)を買収、のちに吸収合併している。

 M&Aは、店舗展開の原動力でもある。2013年には「肉のハナマサ」で知られる花正を買収、首都圏を中心に50近い店舗網を掌中に収めた。そして買収の4年後、JMホールディングスは1000億円超え企業の仲間入りを果たす。

 こうして拡大した店頭で、JMホールディングスは一般的なスーパーマーケットとは一味違った販売方法で商品を展開する。通常の3倍以上のフェースで単一商品を並べ、一挙に売りさばく「単品大量販売」などはその一例だ。もちろん、それらを可能にするたの、物流加工センターなど、インフラ整備にもぬかりない。

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