JMホールディングスが東京ローカルのスーパーみらべるを買収へ! そのねらいは?

棚橋 慶次
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生き残りをかけたM&Aが過熱!

 スーパーマーケット業界では、M&Aが加速しており、直近1~2年を見ても経営統合や吸収合併、資本業務提携が相次いでいる。

 たとえば、エイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府)傘下の関西フードマーケットは23年4月付けで子会社のイズミヤと阪急オアシスを経営統合する。イオングループのフジ(愛媛県)とマックスバリュ西日本(広島県)は22年3月に持株会社制に移行、24年3月には合併して新会社になる予定だ。

 そのほか、双方とも新潟県で店舗展開するウオロクとマルイが、21年7月に資本業務提携を締結。千葉県市原市を拠点とするせんどうとヤオコー(埼玉県)が21年9月に資本業務提携を結んだのも記憶に新しい。

 業態の壁を越えたM&Aもさかんになっている。フード&ドラッグの流れに乗ってクスリのアオキホールディングス(石川県)が東北エリアのローカルスーパーを次々と買収し、業界を震撼させている。

 ここ数年は若干の拡大基調にあるスーパーマーケット市場だが、中長期的には少子高齢化の影響を逃れられない。スーパーマーケット各社は、M&Aを通じた配送・仕入れの効率化・ドミナント戦略の強化・調達交渉力の向上により競争力を高め、生き残りを図ろうとしている。

 JMホールディングスの戦略も、当然同じ文脈にある。ただし、同社のそれは他社よりも“好戦的”だ。同社が昨年策定した中期経営計画では、4年後の2025年7月期に売上高1800億円達成をめざすとしている。

 1800億円といえば、現状の約4割増にあたる。その成長戦略を支える柱が「新規出店攻勢」「既存店売上増」、そして「ともに成長をめざすパートナーの参画」、つまりM&Aだ。スーパーみらべるの買収は、JMホールディングスの成長戦略にどう影響してくるか。その行方に注目したい。

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