「トヨタ式カイゼン」と「ムジグラム」の研究で体系化 コープさっぽろの人材教育
経営破綻後、組織改革を図り事業を多角化、成長させているコープさっぽろ。こうした背景に、関連会社を含めた全職員が取り組む、業務改善、業務標準化活動の存在があることはあまり知られていない。トヨタ(愛知県)や良品計画(東京都)など先進企業から得た学びを、コープさっぽろ独自の活動に落とし込み、いまや全職員が日々、現場改善を推進する強い組織へと発展している。
トヨタ式カイゼンのIEとQCを融合
コープさっぽろには、大見英明理事長直轄の組織の1つに「人財育成部」がある。現在は5人体制で、人材教育や、業務改善、業務標準化活動などを管轄している。なかでも業務改善活動は、1998年の経営破綻後、新規採用をストップせざるを得ず、
そうしたなかで教育によって既存の職員の力を伸ばし、改革を図ろうと早期より取り組んできた。そうしたなかコープさっぽろが業務改善のために導入したのがIE・QCの教育だ。IE(Industrial Engineering)は生産工学、QC(Quality Control)は品質管理を意味する。いずれも「トヨタ式カイゼン」の分析・改善技術、活動手法の1つとして知られ、主に製造業などの現場において、ムダやムラなどを削減し、生産性や商品・サービス品質向上、業務改善を図るために取り入れられている。
コープさっぽろは業務改善活動を行うべく先進事例を学び、そのうえでこの2つを組み合わせた独自の教育内容をつくり上げていった。人財育成部の三浦吉弘部長は「QCでは順序立てて『問題を解決する手法』を、IEではそれ以前の『課題を見つける力』を養う。いずれも必要不可欠であり、コープさっぽろではIEとQCを両輪とした教育を行っている」と説明する。
14年にはIE・QC教育のための独自のテキストを作成。コロナ以前は、人財育成部のメンバーが全部署・全店舗をまわり、最近では動画学習も取り入れながら、パートタイムを含む全職員への教育を行っている。
年間300件の好事例を発表会で組織全体に共有
コープさっぽろでは、
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