ヤオコー、ベルク、マミーマートの埼玉3強はなぜDS業態まで手掛けるのか?
ヤオコー、ベルク、マミーマートの3社は、埼玉県に本社を置く食品スーパー大手です。関東の他チェーンと比べても、既存店は好調で出店はハイペースです。さらには食品スーパーとディスカウントストア(DS)、2つのモデルの同時展開という共通項もあります。複数フォーマットの同時多店舗化は、都内にドミナントを形成する大手には見られない傾向です。好調な主力フォーマットに加え、なぜDS業態まで手掛ける必要があるのか。それは3社が展開するエリアが、ほかより成長機会に恵まれていることの裏返しかもしれません。

マミーマートは2つの新業態で店舗網を一新へ
3社の現状を確認すると、ヤオコーは25年3月期で営業収益7000億円突破を予想、ベルクは25年2月期に3767億円を予想、マミーマートは24年9月期で1607億円でした。
既存店は3社とも業界の水準を大きく上回って推移、稼ぎどきの12月単月を見ても、業界3団体の統計が対前年同月比3.7%増のところをヤオコーは同6.9%増、ベルクは同5.6%増、マミーマートは同7.9%増という実績を残しています。
主力フォーマットを年々ブラッシュアップさせてきたヤオコー、ベルクに対し、マミーマートの現在の好調は拡大中の戦略フォーマット「生鮮市場TOP!」のけん引によるものです。料理好きが週に1度は通いたくなる「食の専門店」を掲げた広域型のフォーマットは、前期末で全店の3割強に相当する28店舗になり、売上は全社の5割に迫ります。
この新業態の展開に加え、日常使いのフォーマットとしてDSモデル「マミープラス」の開発も進めます。前期末で8店舗、売上げは1割弱でした。26年度末には生鮮市場TOP!が45店、マミープラスは19店に拡大する計画で、この2業態が総店舗の7割近くになります。同社の店舗網は10年前に比べ、一新されます。