生協・小売の枠超えた、コープさっぽろ新規事業の中身とねらいとは
店舗、宅配を起点とし、事業を多角化してきたコープさっぽろ。その事業数・関連会社数は合わせて50以上に増え、コングロマリット組織へと成長している。最近では、既存事業のインフラを生かし、配食事業が新たな柱に育っているほか、健康データの取得を見据えた医療連携事業、リテールメディア事業など、注目の新規事業にも着手している。
配食事業
製造・配送インフラ生かし学校に温かい食事を
コープさっぽろの事業の主な柱には、店舗、宅配に続き、エネルギー(灯油・ガス、電気)、物流がある。これに近年、新たに加わったのが配食事業だ。
コープさっぽろは、江別市や石狩市を中心に道内に専用の食品製造工場を計8カ所保有しており、道内各地に食品を供給している。こうした既存の製造・配送インフラを生かし、10年には高齢者向けの夕食宅配サービスをスタート。その後、病院・施設からの給食の受託、さらには学校へ昼食を届けるスクールランチ事業へと広がっている。これら配食事業の23年度の供給高は17億円まで拡大している。

なかでも最近始めたのが21年9月に開始したスクールランチ事業だ。日高振興局管内の様似町(さまにちょう)から「学校に弁当を届けてほしい」と要請があったことが始まりで、せっかくなら「子供たちに温かい食事を」と、スクールランチ(※)の提供を開始した。その後、初山別(しょさんべつ)村と愛別(あいべつ)町にも供給エリアを拡大。24年5月までに計5校に約23万食を届けた。同事業は今後も広がりが見込まれる。北海道の小中学校の給食センターの3分の1以上
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