人口減の北海道を深く広く開拓!コープさっぽろ異次元の成長戦略とは
経営再建の歴史から競争優位性の構築へ
なぜ、コープさっぽろはこのように強く、独自性のある組織になったのか。
その歴史を語るうえで外せないのが1998年、コープさっぽろが事実上の経営破綻に陥ったことだ。65年の創立以降、市価より高い「北海道価格」の是正など、地域の暮らしに貢献する役割を担ってきたが、バブル期以降の放漫経営により、経常赤字を連続的に計上。日本生活協同組合連合会(東京都)の救済支援のもとで経営再建に取り組み、業績を改善させていった過去がある。職員の大幅な人員整理など、大きな痛みを伴う立て直しのなか、コープさっぽろは強い組織へと生まれ変わるべくさまざまな事業、組織改革を断行。それが現在の強みの根幹となっている。
まず、現在のコープさっぽろの競争優位性の源泉となっているのが独自の物流網だ。2000年に入るとアマゾンをはじめ大手ECが台頭するなか勝ち残るには、過疎地を含めて道内の生活インフラになるべく物流効率を最大化することが不可欠であると判断。12年には、基幹物流を担う関連会社として北海道ロジサービスを設立し、13年にはすべての店舗と宅配センター、組合員宅をカバーする完全自前の物流網を完成させた。
これが、既存事業の物流効率化はもちろん、病院や施設、学校に食事を届ける配食事業といった新規事業の創出や、サッポロドラッグストアー(北海道)をはじめ他社の物流を受託するなどの物流の外販事業の展開にも広がっており、新たな成長源になっている。
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