小売業界新たなフェーズへ!平和堂の株価上昇が意味することとは

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 PBR修正後は業界の垣根を超えた新たな業態作りがテーマになる

  話は変わりますが、セブン&アイ・ホールディングスがイトーヨーカ堂・ヨークベニマルなどのスーパーストア事業を分離上場する動きが注目されています。

  この上場を成功させるとすれば、不採算店舗を削減し、筋肉質にする必要があることは論を待たないと思います。

  しかし、当事者であるセブン&アイがそれで必要十分だと考えているとは思えません。上場を目指す以上、説得力があり夢のあるエクイティ・ストーリーが必須です。例えばイオンを凌ぐ業態、セブン-イレブンをも脅かしかねない業態を目指すべきだと考えているのではないでしょうか。

  すなわち、総合スーパー(GMS)・SMにおける規模最大化、都心部で省人化を徹底した直営店舗運営、利益商材を抱えるドラッグストア業態の取り込みなど、幅広い選択肢を聖域なく検討しているに違いないと思います。

  平和堂が今回株価対策に正攻法で取り組む姿勢を示したことは、来たるべき地域や業態を超えた再編の可能性を視野に入れ始めたからではないか。つい、そのように考えたくなる今日この頃です。

 

プロフィール

椎名則夫(しいな・のりお)
都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。
米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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記事執筆者

都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。

米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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