小売業界新たなフェーズへ!平和堂の株価上昇が意味することとは
低PBR修正後は業界の垣根を超えた新たな業態作りがテーマになる
話は変わりますが、セブン&アイ・ホールディングスがイトーヨーカ堂・ヨークベニマルなどのスーパーストア事業を分離上場する動きが注目されています。
この上場を成功させるとすれば、不採算店舗を削減し、筋肉質にする必要があることは論を待たないと思います。
しかし、当事者であるセブン&アイがそれで必要十分だと考えているとは思えません。上場を目指す以上、説得力があり夢のあるエクイティ・ストーリーが必須です。例えばイオンを凌ぐ業態、セブン-イレブンをも脅かしかねない業態を目指すべきだと考えているのではないでしょうか。
すなわち、総合スーパー(GMS)・SMにおける規模最大化、都心部で省人化を徹底した直営店舗運営、利益商材を抱えるドラッグストア業態の取り込みなど、幅広い選択肢を聖域なく検討しているに違いないと思います。
平和堂が今回株価対策に正攻法で取り組む姿勢を示したことは、来たるべき地域や業態を超えた再編の可能性を視野に入れ始めたからではないか。つい、そのように考えたくなる今日この頃です。
プロフィール
椎名則夫(しいな・のりお)
都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、
米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、
椎名則夫の株式市場縦横無尽 の新着記事
-
2024/12/16
VAIO買収のノジマ M&A巧者の成長戦略と10年で株価6倍の理由 -
2024/09/24
クシュタール買収提案でセブン&アイがいますぐすべきことと3つのシナリオとは -
2024/08/19
円安修正で国内成長力に再注目!良品計画に広がるチャンスと課題とは -
2024/07/08
アインHD、フランフラン買収で変わる?株主総会の争点とは -
2024/06/07
連続増収増益途切れ、株価下落のニトリHDの意外な実態と今後 -
2024/05/09
小売業界新たなフェーズへ!平和堂の株価上昇が意味することとは
この連載の一覧はこちら [61記事]
イオン・グループ,ツルハの記事ランキング
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2024-09-26上位10社でシェア8割!ドラッグストア市場規模&市場占有率2024
- 2023-04-26スーパーマーケットの次世代顧客は「ヤングファミリー」か、「MZ世代」か
- 2021-02-22イオン、クスリのアオキHDの株式9.98%を取得、ダイエーの退職給付信託から
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2021-03-26カスミ、イオン、マルエツらが進めるSMのレジレスは将来の選択肢か、歴史の必然か
- 2023-04-20イオン、22年度決算を発表!GMS事業が黒字化も残された課題とは
- 2023-08-04どうなる「ツルハ」と「クスリのアオキ」 イオンの出資先で問われるガバナンスと再編の予兆
- 2024-07-11「グリーンビーンズ」1年で会員数21万人突破 配送エリアさらに拡大へ
- 2024-09-3048兆円市場の各社のシェアがわかる!食品小売、市場規模&占有率2024!
関連記事ランキング
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2024-09-26上位10社でシェア8割!ドラッグストア市場規模&市場占有率2024
- 2023-04-26スーパーマーケットの次世代顧客は「ヤングファミリー」か、「MZ世代」か
- 2024-07-22コスモス薬品 東北進出、食品構成比6割越えの衝撃!
- 2022-02-22「フード&ドラッグ」の最終形態へ?クスリのアオキの戦略、強み、新フォーマットを徹底解説!
- 2021-02-22イオン、クスリのアオキHDの株式9.98%を取得、ダイエーの退職給付信託から
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2023-01-23「生鮮販売、ねらっている」 コスモス薬品横山社長が示唆した食品戦略の”大転換”
- 2023-09-05敷地内薬局の不正入札でアインファーマシーズ社長逮捕、2024年度診療報酬改定に影響必至!
- 2024-04-09業態超え大型再編続々の小売業界を読み解く!流通相関図2024!